首相「2020年改憲」表明
Japan In-depth / 2017年5月4日 10時19分
Japan In-depth 編集部(坪井映里香)
【まとめ】
・安倍首相、憲法9条に自衛隊の存在を明記した条文を追加し、2020年を「新しい憲法が施行される年にしたい」と明言。
・公明党、首相のメッセージを評価。
・与野党議論深める努力を。
■安倍首相、20年改憲明言
日本国憲法の施行からちょうど70年の2017年5月3日。全国各地で憲法に関わる講演会やシンポジウムが催される中、東京・千代田区砂防会館で「第19回公開憲法フォーラム」が行われ、1100名ほどの参加者が詰めかけた。「民間憲法臨調」「美しい日本の憲法をつくる国民の会」の共催で、ジャーナリストの櫻井よしこ氏や国会の憲法審査会の委員である議員が3名登壇した。
冒頭、憲法改正を「自民党結党時の悲願であり、歴代の総裁が受け継いできた。」として、「自民党総裁」の立場で安倍首相のビデオメッセージが流された。その中で安倍首相は、「憲法改正の発議案を国民に提示するための具体的な議論を始めなければならない時期に来ている。」と、憲法改正の議論が進んでいるという見方を示した。
そして、憲法9条と自衛隊について具体的に言及した。「多くの憲法学者や政党の中には、自衛隊を違憲とする議論が今なお存在している。自衛隊は違憲かもしれないが、何かあれば命を張って守ってくれる、というのはあまりにも無責任だ。私は少なくとも、私たちの世代のうちに自衛隊の存在を憲法上にしっかり位置づけ、自衛隊が違憲かもしれないなどの議論が生まれる余地をなくすべきである。」と、自衛隊の存在を憲法に明記することの必要性を訴えた。
その上で、「9条の平和主義の理念については未来にとってしっかりと堅持していかなければならない。9条1項、2項を残しつつ、自衛隊を明文で書き込むという考え方。これは国民的な議論に値するだろうと思う。」と自衛隊の位置づけについて加憲という形をとる、という提案をした。
また、教育分野における改正についても言及。現行憲法に記されている義務教育制度、普通教育の無償化は戦後の発展の大きな原動力となったとした上で、人材育成の必要性を強調。そのために、「高等教育についても真に国民に開かれたものとしなければならない。」と述べた。
個人の問題にとどまらず、人材を育てることは一億総活躍の原動力となりうる、とした。
また、2020年の東京オリンピックが1954年のオリンピックのように、日本が生まれ変わるきっかけになりうる、と述べ、「新生変わった日本がしっかり動き出す年、2020年が新しい憲法が施行される年にしたい。」と具体的な目標を示した。
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