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「政策協定」が示す残念な都政 東京都長期ビジョンを読み解く!その43

Japan In-depth / 2017年5月4日 20時23分

以上まとめると、具体性の欠如した言葉、ふわふわした言葉の羅列、定義のよくわからない標語やあいまいな言葉のオンパレードである。正直なところ、子供だましのような抽象的な言葉になんとなく騙された気になってしまう。念仏のような「雰囲気」言葉で政策と称している時点で公的な政党としての資格が疑わしい。厳しい言い方をして申し訳ないが。


 


(問題2)「どのように」が見えない


問題2つ目は、「どのように」進めていくのかさっぱり見えない(これはこの連載で何回も言っていることだが)。


「どのように」都民優先の政策を都政の基本に据えるのか、その理念を具体的に落とし込むのだろうか。そして「どのように」経費節減に不断の努力を行うのか。経費節減の手法は?基準は?評価ロジックは?優先順位は?・・・・・と疑問がわく。


「先進技術や国際化などに対応する人材育成とすべての子供に正当な自己肯定感をもたらす教育の両立を図る」、「水と緑豊かな生活環境の整備と先進的な環境技術の活用により、ヒートアイランド現象からの転換を推進する」などの項目を読むと大変びっくりする。


「どのように」のシナリオが描けたら、こんなことは言えないのだ。私がこの政策項目が実行できる責任を問われる(仮に、達成できなかったら罰金1千万円としよう)としたら、こんなことを怖くて書くことはできないだろう。


この背景に、行政が正しい政策を進めれば人の心と行動が変わるという考えが政策立案者の心の中にあるように私は見る。個人の領域や家庭の領域に行政が入ることに対して何の疑問も違和感も感じていないのだろう。世の中のためにいいことをやっているから、正しいことをやっているから、問題は解決する・・・・のだろうか。


個人の尊厳を無自覚に、無意識的に侵害する人が考えた政策は、空回りし、使われるだけの予算、目標達成を糊塗した報告書、自治体職員の失望と疲弊、政策提案者の忘却が残るだけだ。


 


(問題3)「合意のプロセス」が明らかになってない


そもそもどういった考え方の違いがあって(なかったのかもしれないが)、対話や議論を進めていき、そのうちにより考え方の差異に違いがないことがわかり、もしくはある目的があり歩み寄り(言えないことだが色々妥協し)、合意に達したというプロセスがあったはず。


そのやり取りが見えないのだ。政治の世界なのだから、見せられないことも重々承知である。しかし、できる限り丁寧に説明してもらいたい。そもそも都民ファーストの会はHPも見つからないのだ・・・。


これは正統性の問題でもある。「結局、与党になることが大事で政策はあまり重要じゃないんだよね」とか、「結局、数は力だから妥協したのね」とか他人から思われてしまう可能性もある。そうなると両党にとって非常に損ではないかと思う。


その説明に正統性があれば、都民も納得するだろう。支持団体以外からの支援も得られるかもしれない。両党に期待する。


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