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自転車用高速道路がある国 デンマークの「人を幸せにする仕組み」4

Japan In-depth / 2017年5月5日 19時0分

自転車用高速道路がある国 デンマークの「人を幸せにする仕組み」4

安岡美佳(コペンハーゲンIT大学アシスタントプロフェッサー, 北欧研究所 )

【まとめ】

・デンマークで自転車の為の高速道路開通。

・2050年までに化石燃料廃止掲げる。

・IoTが快適な自転車社会をサポートしている。

 

皆さんは、日常生活でのストレスを、どのようなときに感じるだろうか。混雑する電車、遅々として進まない高速道路、なぜか毎回引っかかる赤信号など、毎日のことであるがゆえに、特に大都市に住む人たちにとって移動にまつわる事項は馴染みの深いストレスではないだろうか。

今年の国連の幸せ指数ではノルウェーに抜かれ2位となったデンマーク。それでも、幸せの種はあちこちに見られ、特に、私が「幸せ」に生きるために重要だと考える「毎日の生活を不必要なストレスをなくして暮らすための工夫」が、次々に構築されている。今回のテーマは、毎日の通勤・通学のストレスを軽減する工夫である。

 

■自転車用高速道路開通

5月2日、コペンハーゲン首都圏では5ルートのスーパーハイウェイが開通した。驚くなかれ、4輪自動車のための道路ではない、自転車のための高速道路だ。先んじて2012、2013年に開通していた高速道路に続き、今回全長115キロ、首都圏エリアの13市にまたがるルートが開通した。このルートは長距離サイクリストを想定して構築されており、長時間の走行でも安心で楽しく、また安全に走行可能な道路整備が進められた。

自転車高速道路は、自動車交通量の多いエリアは避けられ、また、多くのルートではおしゃべりしながら走れる走行車線2線と追い越し車線の計3車線確保されている。また、後述するが赤信号で停止する必要を最低限まで抑えたスマートな仕組みも導入されている。

 

■グリーン・モビリティ掲げるデンマーク

デンマークは2050年までに化石燃料の廃止・100%再生可能エネルギーへ転換するというエネルギー戦略を掲げている。コペンハーゲン市も2025年までに世界初のCO2ニュートラルな市となるという目標を掲げており、これらの目標達成の為、首都圏エリアを挙げて、エネルギー効率化やEV普及への取り組みが盛んに行われている。そのうちの一つが、グリーン・モビリティ(環境に配慮した移動手段の構築)であり、公共交通機関の整備、自転車活用の促進、電気自動車や環境に優しい燃料の活用であり、今回の自転車高速道路につながっている。

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