緊迫の朝鮮半島情勢最新分析
Japan In-depth / 2017年5月9日 8時47分
最近、中国とロシアの国境に位置し、中露が取り合っている羅津(ラジン)港という港と、ロシアのウラジオストクのあいだを北朝鮮の貨客船・万景峰号を定期運航するという動きがあった。それはつまり、日本海において万景峰号を常時動かせる状態にしておきたいという思惑があるという。その背後には、北朝鮮にもしも何かあった場合、朝鮮労働党の幹部や家族を万景峰号に乗せて日本へ避難させるという北朝鮮側の思惑がある、と山田氏は指摘した。
日本はこれを拒否することはできないのか安倍編集長が問うと、「日本には在日朝鮮人の方がたくさんいるので身元引受人になる。今の国際情勢の難民保護の観点から日本だけNOとは言えない。日本は旧宗主国で、国際慣例上旧宗主国は難民を受け入れている。」と受け入れ拒否は難しいと述べた。山田氏によると、そうした北朝鮮からの難民は「最大想定だと15万人」とのことだ。「拉致被害者を全員連れて来たら受け入れる、というのはどうか?」と安倍編集長が提案すると、山田氏は「それもひとつの方法。」とし、「もしもの時は速やかに拉致被害者を連れて来たら、我々もきちんと君たちの処遇を考えますよ」という姿勢で臨むべき、と述べた。しかし、一万人というレベルでたとえば隠岐など小さな島に集中してしまったら、島が乗っ取られてしまうことを危惧し、難民対策を考えておく必要性も指摘した。
■米潜水艦、露ミサイル駆逐艦が臨戦態勢
アメリカの原子力空母、カールビンソンが4月29日に韓国軍と合同訓練を行った。しかし、実はアメリカの戦略的原子力潜水艦ミシガンが釜山に寄港し、いまも日本海に潜んでいる、と山田氏は述べた。「カールビンソンは象徴的な存在だがそれ以上に脅威なのがこのミシガン。」とし、ミシガンは全長170メートルで、小さな町なら簡単に制圧することができるという屈強な特殊部隊が60人入っているという。「カールビンソンの動きはすべてキャッチされている。衛星からも見ている。しかし潜水艦の動きは分からない。この両面作戦をアメリカは展開していた。」と、アメリカの日本海における戦略を説明した。
同様に、山田氏が訪問したばかりのロシア・ウラジオストクでも、ロシア太平洋艦隊の基地近くの港にはミサイル駆逐艦が4隻並んでいたという。そのうち1隻は帰ってきたばかり。最高級のソナーと迎撃ミサイルを積んでいて「いつでも対応できる準備に入っているし、一部はもう対応している。」と述べた。
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