1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. スポーツ
  4. スポーツ総合

信頼を構築する7つの要素

Japan In-depth / 2017年6月9日 10時29分

信頼を構築する7つの要素

為末大(スポーツコメンテーター・(株)R.project取締役)

最近信頼とは何かについて社員と議論をしていたので少しまとめて見ました。信頼はどうやって獲得され、信頼の内訳はどうなっていて、また日常私たちはどのような人を信頼しているのでしょうか。

似た言葉で信用というものがありますが、意味は少し違うようで、信用はいわば過去の成果に関してもの、信頼は未来に予測するもの、というのが一般的な見解のようです。まあ、実際にはほとんど違いなく使われているようです。私なりに考えてみて仕事の局面において、信頼は7つの要因に分けられるんじゃないかと思いました。もっと深く考えると他の要素もあるかもしれませんが。

 ①能力ーその人は優秀か。

(総合力、地頭、ポテンシャル、適応能力、成長の余白)

②専門性ーその人は何に秀でているか。

(職歴、技能、免許、技術レベル)

③貢献ーその人は貢献しようとしてくれるか。

(仕事に対する貢献、リーダーシップ、責任感、コミットメント)

④好き嫌いーその人を好きか。

(好き嫌い、その人と一緒にいたいか、その人に得をしてほしいか)

⑤価値観ーその人はどのような判断をしそうか

(共感、世界観、動機)

⑥人脈ーその人の仲間はどのような人たちか

(その人の支援者は誰か、その人の為に動く人は誰か)

⑦影響力ーその人は社会から信用を得ているか

(一般的評価、一般的イメージ、ブランド、発信力)

私の場合、今の所これらを総合的に判断し、人を信頼しているように思います。⑦の影響力は私たちの職業独特の観点かもしれません。信頼とは未来のその人のパフォーマンスに対する予測であり、予測は過去によって支えられています。実際に仕事を一緒にする場合もあれば、その人と会ったり仕事をした周囲の人の評判や、公になっている過去の仕事を見て判断したり、今であればSNSの影響力や発言内容も精査の一部になろうかと思います。

もちろん業界によっても違っていて、例えば閉鎖的な世界では、④好き嫌いと⑥人脈が重要になると思います。特に⑦影響力と⑥人脈を持っている重要な人物に好かれているかどうかで勝負が決まったりします。だから、閉鎖的な世界ではとかく人間関係を重視する構図になりがちです。こういう世界では、信頼は④好き嫌い、⑥人脈または③貢献が大事になると思います。

一方で実力がはっきりとわかりやすく出る世界ではだいぶ様相が変わります。プロスポーツの世界での監督から見ると、ほとんど④好き嫌い、⑥人脈、⑦影響力は関係ありません。ウサインボルトはみんなに大いに好かれていますが、仮に嫌われていたとしても監督は起用するでしょう。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください