マクロン新党大躍進のわけ
Japan In-depth / 2017年6月13日 12時0分
Ulala(ライター・ブロガー)
「フランス Ulala の視点」
【まとめ】
・仏国民議会選挙1回目が実施、マクロン新党「前進」が議席400超を獲得の勢い。
・マクロン氏の情熱・スピード・巻き込み力を実業家からなる頭脳集団が支える。
・2回目も圧勝予想、政権基盤は強固なものに。
■マクロン新党、400議席超獲得の勢い
マクロン氏が大統領選に立候補を決めた時点で、一体誰がこの状況を予測していただろうか?
フランスでは6月11日に国民議会選が行われた。これはマクロン大統領には最初の大きな試練でもあった。なぜなら、大統領の権力は、与党の議席数に大きく左右されるからだ。フランス憲法の規定では、立法や予算承認、首相の解任の権限を持つのは議会だけであり、議会で過半数を取れなければ、今後の改革をスムーズに進めることは難しい。
もちろん従来の大統領達は、みな所属する政党を軸に過半数を獲得してきた。しかしながらマクロン氏が建てた政党「前進」は現状ではゼロ議席で大きな政党が築いてきた基盤もなかったのだ。
にもかかわらずこの出来て間もない党が1回目の国民議会選挙で、投票率は31.9%でトップ。定数577の内、最低でも400議席を取るだろうと予測される結果をだした。これに対して、中道右派の「共和党」は最大で125議席、与党だった中道左派の「社会党」は最大で35議席とそれぞれ大幅に議席を減らし、大統領選で最終決戦まで戦ったはずのFNは予想では3~5議席でしかないであろうと予測されている。
■マクロン人気の背景
大統領選の時点では、まだまだマクロン氏の実力に疑心暗鬼の有権者も多く、「FNには入れたくないので無難な方を選択」ぐらいの気持ちの人がいたかもしれない。しかし大統領選出後はマクロン氏の人気はうなぎのぼりだ。階段を駆け上る若さ、今までの大統領とは違う振る舞い、あらゆることが好感を得る結果になっている。
さらにマクロン人気を加速させたのが、トランプ氏が地球温暖化対策の国際的な枠組み「パリ協定」からの離脱を表明した直後の発言だ。トランプ氏の発言「アメリカを偉大な国にする」を皮肉り、
「世界をもっと偉大にする。賛同する人はフランスに来てください。」
と英語で呼びかけた。
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— Emmanuel Macron (@EmmanuelMacron) 2017年6月1日
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