共産党の公約分析 東京都長期ビジョンを読み解く!その52
Japan In-depth / 2017年7月2日 9時0分
西村健(NPO法人日本公共利益研究所代表)
「西村健の地方自治ウォッチング」
【まとめ】
・共産党「らしさ」前面に。若者の最低賃金時給1,500円等。
・都政を超えて国政まで語る“情熱”を有権者はどう評価するか?
・必要性が疑問な事業リストも。
■共産党「らしさ」全開
今回は共産党の公約分析。「2017都議選の訴えと重点公約」というページに記載があるが、その後、各層ごと(若者、障がい者など)に政策を用意し、さらに「国民健康保険料値下げの緊急政策」などが追加されている。
特に、若者の願いにこたえる4つの「東京プロジェクト」として、
授業料負担の軽減
学生向け給付制奨学金創設
都立の首都大学東京の入学金や授業料等の引き下げ・減免制度や奨学金制度等の新設・拡充
最低賃金時給1,500円
などを提案している。さすがである。
また、「豊洲新市場の主な3つの施設の建設工事は、スーパーゼネコン3社を中心とする3つの企業グループが、それぞれ競争なしの「一者入札」で、落札率平均99.87%という高値で落札しています。」という問題意識、とても高い。
■情熱・熱さが有権者に伝わるか?
情熱というのか、熱さというのか・・・・正義感溢れる主張が並ぶ。
「都議選の対決軸—日本共産党の躍進で都民要求実現と都政改革を前に進めるか、自民党・公明党によるくらし・福祉に冷たい都政を許すのか」という気迫に満ちた主張を打ち出している。
しかし、「対決」という言葉や「冷たい」という形容詞など、対立を嫌う若者が自民党支持になってしまうのではないか?改善の必要があるのでは?と共産党のためを思うと感じてしまう。とはいえ、共産党らしいので難しいところ。
それでは中身を見てみよう。
〇核兵器禁止条約の締結
〇オスプレイの東京への配備をやめさせ、横田基地の全面返還を求めます
非常に賛同する主張である。しかし、主張を入れるのはいいが、東京都のことを言ってもらいたい。都議会を共産党が多数を占め、政権与党になってこうしたことが実現できるのか?国政と都政を混同していて当惑する。
さらに「安倍首相が狙う9条改憲は絶対に許しません」などを主張している。
都政の役割、影響力の範囲を無視したお門違いの「自説」を主張すればするほど、冷静な人はひいてしまうのではないだろうか。安倍政権云々を書かれても・・・・である。
■必要性が疑問な事業リスト
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