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陰謀説の読み方③ ロッキード事件の謎

Japan In-depth / 2017年7月3日 9時59分

■  日本の国会議員による陰謀説

2010年3月、米側の大手新聞のワシントン・ポストは「日本での有毒な思考」と題する社説で、当時の参議院議員で民主党国際局長の藤田幸久氏が、「9・11の真犯人は公表されたテロリストではない」と主張していることを激しく非難したのだった。

同社説は藤田議員による同紙記者らとの最近のインタビューでの発言として、「藤田氏はアメリカのアジアでの最重要な同盟国の外交政策エリートであるはずなのに、9・11テロは巨大なでっちあげだと思っており、その見解はあまりに奇怪、かつ知的にインチキだ」と酷評した。

藤田は前年の2009年3月、9・11の犯人特定に疑問をぶつける本を編著者として出版していたのだ。その内容はワシントン・ポストの社説によると、「9・11テロは公表されたテロリストとは別の陰の勢力が株の利益を得るために実行し、19人の『実行犯』のうち8人はまだ健在だとする妄想的な話を広めている」とされていた。

同社説は「9・11テロに関しては全世界で多数の陰謀説が出てはいるが、藤田氏の場合、珍奇なのはこの常軌を逸した想像を信じ込む人物が世界第2の経済大国の政権与党の重要な地位についているという点だ」とまで批判していた。

(④「その弊害にどう立ち向かうか」に続く。①、② 全4回)

この連載は雑誌『歴史通』2017年1月号に掲載された古森義久氏の論文「歴史陰謀説は永遠に消えない」に新たに加筆した記事です。

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