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都議選後こそ問われる有権者の目

Japan In-depth / 2017年7月4日 11時27分

私はメディアを批判しだすと権力はジリ貧になると思っている。二階自民党幹事長が「落とせるものなら落としてみろ」と発言したが、本当に余裕あるときこうした発言は政治家の口から出てこない。焦りといら立ちが、自制心を壊すのだ。かつての民主党政権もそうだった。メディアをコントロール出来ると思っていたフシがある。その後あっという間に政権は瓦解した。

歴史は繰り返す。下野して謙虚になったはずの自民党が、再び権力を手にして5年近く。安倍一強体制をほしいままにした政権はどこか脇が甘くなる。野党勢力に攻め込まれた時の対応にそれが出る。相手を小ばかにし、真摯に答弁しない。適当にあしらえると思っている。それが国民から見て「不誠実」そのものであり、「何かを隠している」と、いらぬ邪推を掻き立てたのだ。

一連の疑惑を晴らしたいならごまかさずに本当のことを言えばよいのだ。しかし、彼らはそうしなかった。「何かおかしくないか?」と多くの国民は思ったことだろう。

メディアはそうした空気を見逃さない。読者が、視聴者が望んでいるのだ。政権批判を。だから止まらない。某女性議員の絶叫パワハラ音声等はまさしくワイドショーの大好物だ。あの音声は子供から大人まで耳に残って、今年の流行語大賞に輝くくらいの勢いだった。

それでいのだろうか?多くの国民がメディアの報道姿勢に疑問を抱いたに違いない。一方で、メディアというのはそういうものだ、と冷めた見方もあろう。売らんかな、もしくは視聴率至上主義の下、そうした“面白可笑しいネタ”を報じないことはあり得ない。それはわかる。

しかし、大事なことも同時に報じるべきではないのか。今回有権者は都議会自民党に“NO”を突きつけた。しかしその結果、ほぼ政治経験のない都民ファーストの会の議員が急増した。小池都知事の情報公開と都議会改革の姿勢に誰も文句はないだろう。しかし、議会が知事の方針にただ従うだけ、というのは都民の望みではない。

子育て、介護、地震対策、オリパラ費用の圧縮など、やってもらいたいことは山ほどある。正直豊洲か築地か、などさっさと決めて欲しい。いつまでも引っ張って無駄な金を使ってもらいたくないのだ。それが都民の偽らざる気持ちではないのか。

とりあえず、都民ファーストを信認しました。だから、あとはやるべきことをちゃっちゃっとやってくれ、ということだ。さて、そううまくいくか?

気になるのは都議会公明党の動きだ。今回都議選ではちゃっかり都民ファーストと共闘した。“機を見るに敏”とはことのことだが、豊洲市場移転問題一つとっても、小池知事の決断を公明党は100%支持できるのか?メディアは親小池勢力として公明党の議員を数に入れていたが、果たして知事と100%同じ方向に動くのか。そこを指摘しないで「小池勢力、議会過半」と報じるのはいささか無責任だと思う。私たちは、テレビや新聞の報道から一歩引いて政治を俯瞰する必要がありそうだ。

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