独立志向で四面楚歌に陥った台湾
Japan In-depth / 2017年7月7日 9時28分
■ 独立施策による独立阻害
つまり、蔡英文総統により台湾独立性を損われたのである。これは皮肉なものだ。蔡総統が独立志向であり、その支持層も独立派であるからだ。
むしろ独立性を高めたのは馬英九路線だった。独立派が親中的として排した馬総統だが、現実には政治的・経済的・軍事的自立性を高めていた。これも皮肉だ。
中国としても真の厄介は馬英九総統だった。一つの中国を堅持する態度を示していたため、その立場を評価しなければならず、それにより政治・経済・軍事面での自立性強化を達成されてしまった形だ。
なにより、中国の傀儡となりえない強敵だった。
馬英九総統はあくまでも国民党の政治家であり、共産党がコントロールできる相手ではなかったからだ。その芯の強さは中国共産党の譲れない権威「砥柱中流」(抗日戦の中心)を放置せず、協調路線に反しながらも公然非難したことでも明らかである。葦のように風になびきながらも折れない強敵であった。
* 独立主張により独立から遠ざかるジレンマについては筆者記事、文谷数重「中国ばかりか米国も望まない台湾独立」『軍事研究』(2016年5月号)を参考にして頂けるとありがたい
この記事に関連するニュース
-
脅してもすかしても動じぬ台湾、加速する中国離れ 焦る習近平氏、包囲網演習は常態化【中国の今を語る④】
47NEWS / 2024年9月24日 10時0分
-
台湾への「戦略的曖昧性」をアメリカは変えるか アメリカ新政権で試される日本の外交力
東洋経済オンライン / 2024年9月23日 8時0分
-
防衛費増額の根拠「台湾有事」は雲散霧消している(文谷数重/元3等海佐・軍事研究家)
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年9月18日 9時26分
-
米大統領選を「静観」する中国。トランプとハリス、どちらの勝利を望んでいるか
トウシル / 2024年9月12日 7時30分
-
米大統領選まで2カ月。サリバン訪中から見る米中対立と台湾有事の行方
トウシル / 2024年9月5日 7時30分
ランキング
-
1アフガン東部で「未知の病気」=2人死亡、50人重体
時事通信 / 2024年9月25日 18時58分
-
2自民党総裁選「尹錫悦政権が期待する候補は…」 韓国の日本研究者3氏に聞く
産経ニュース / 2024年9月25日 17時28分
-
3「主張が聞き入れられなかった」NHKラジオ不適切発言の中国人元外部スタッフ 発言の理由を中国メディアに語る
TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2024年9月25日 21時29分
-
4「安全神話崩れた」=学校周辺ものものしく―中国・深セン
時事通信 / 2024年9月25日 16時27分
-
5中国とブラジルの和平案批判 ゼレンスキー氏、国連で演説
共同通信 / 2024年9月26日 5時7分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください