劉暁波氏の死で変わる米対中政策
Japan In-depth / 2017年7月17日 7時0分
ウォールストリート・ジャーナル社説はそうした人物の実例をあげることで、いまの中華人民共和国がナチス・ドイツにも似ていることを示唆しているのだった。
さてその社説には以下の骨子の記述があった。
・劉暁波氏の死は全世界にとって中国政府の人権弾圧に注意を向けていかねばならない責務があることの警鐘である。中国はいまや自国の政治を改革することなく、対外的に膨張する経済力と軍事的な威力によって、自国の専制独裁的な政治モデルを広げようとしているのだ。
・国際社会はいま中国政府に対して劉氏と同じ自由への闘争をしたことで拘束された中国人の人権弁護士たちを解放させるように圧力をかけねばならない。そうした圧力は中国の一般国民の利益にかなう。そしてその圧力は同時に中国の非民主的な政権がいま覆そうとしている規則に基づく民主的な国際秩序をも利するのである。
以上は同社説の一部だが、今回の悲劇が単に人間的、人道主義的な問題だけではなく、国際秩序のあり方というところにまで広がる広範で普遍の警告でもあることを強調しているわけだ。中国は対外的な膨張によって、民主主義や法の支配に基づく既存の国際秩序を崩そうとしている、という指摘なのである。
このような指摘は日本にとっても中国との二国間関係のあり方、そして国際関係での中国とのつきあい方を考えるうえでも重要な指針となるだろう。中国というのがどんな国家なのか、という指針である。
*トップ画像:2013年1月香港における劉暁波氏釈放を訴えるデモ
-
- 1
- 2
この記事に関連するニュース
-
国際情勢からの日本の憲法改正の必要性(下)アメリカが切望する日本の改憲
Japan In-depth / 2024年5月1日 17時0分
-
キャンベル米国務副長官「岸田、尹両氏はノーベル平和賞に値」 日米韓連携、インド太平洋安定に貢献
産経ニュース / 2024年4月25日 13時18分
-
先進国が掲げる「法の支配」のダブルスタンダード 西洋基準たる「万国公法」の呪縛から脱する時だ
東洋経済オンライン / 2024年4月16日 9時0分
-
[社説]対中包囲網と日本 緊張緩和の役割果たせ
沖縄タイムス+プラス / 2024年4月16日 5時0分
-
社説:香港国安条例 自由の後退を憂慮する
京都新聞 / 2024年4月11日 16時0分
ランキング
-
1プーチン氏、戦術核演習を指示=「西側への対抗措置」
時事通信 / 2024年5月6日 19時13分
-
2中国、カナダの調査は「うそ」 総選挙に介入と報告書
共同通信 / 2024年5月6日 20時33分
-
3アメリカの大学で広がるガザ抗議デモ、社会への不満が根底か…大統領選の争点に
読売新聞 / 2024年5月7日 5時0分
-
4中国軍機、照明弾で豪ヘリ妨害=高度差60メートル、「危険」と抗議
時事通信 / 2024年5月7日 9時36分
-
5バイデン政権、米国製弾薬のイスラエル輸送を停止か…ハマスとの戦闘開始後で初
読売新聞 / 2024年5月6日 17時10分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください