カタール断交 次の標的はオマーン
Japan In-depth / 2017年7月15日 12時4分
■ 中立であることを敵視
以上が、オマーンが親イランとしてサウジに敵視される要素である。
繰り返すが平時であればそのような見方はしない。サウジからしてもオマーンの立場は理解される。また、イランとの交渉チャンネルとしても利用できると考える。
だが、現状のサウジは冷静さを欠いている。
そもそもカタール断交や経済封鎖そのものが合理的判断ではない。今となってもその理由も明瞭ではない。
強いて言えばイエメン介入失敗を糊塗するものだろう。そのためサウジ政府は国内指導力の陰りを招いていた。そこにトランプがサウジを訪問し、イエメン内戦にも使用される武器弾薬の売却を認めた。これでイエメン問題にアメリカの後盾が得られたと新皇太子が判断した。この外交的成功を国内に見せつけるため親イランやテロ支援を理由にカタール断交に打って出たものだ。
その点からすれば、それ以上のイラン協調派であるオマーンも何かの失敗の埋め合わせに断交される。サウジはイエメンだけでなく、パレスチナ、シリアでも親イラン勢力との代理戦争をしている。そこで何らかの失敗を犯した場合、サウジはそれを糊塗するためオマーンを第2のカタールとしてやり玉にあげるかもしれない。
トップ画像:左)サウジアラビア王国 国王サルマーン・ビン・アブドゥルアズィーズ・アール=サウード、
右)カタール国 首長 タミーム・ビン・ハマド・アール=サーニー Photo by Chuck Hagel
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