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「日本は改憲せよ」トランプ弾劾案提出議員

Japan In-depth / 2017年7月21日 1時30分

私はシャーマン議員が日本に対して憲法の改正を求める声をあげるのを少なくとも2回、アメリカ議会で直接に聞いたことがある。

「日本は日米同盟により有事にはアメリカに助けられるのに、自国は憲法を口実にしてアメリカを助けはしない。そんな憲法ならば、改正すべきだ」

シャーマン議員がこんな激しい発言をしたのは今年2月28日だった。アメリカ連邦議会の公聴会が舞台だった。下院外交委員会のアジア太平洋小委員会が開いた公聴会である。トランプ政権下での新議会では日本関連の初めての公聴会でもあった。

シャーマン議員はこの小委員会の民主党側筆頭議員である。そのときのテーマは「中国の海洋突出を抑える」とされていた。南シナ海と東シナ海での中国の無法な膨張をアメリカはどう抑えるべきか、が審議の主題だった。だがそれに関連して日米同盟や日本の防衛のあり方までが論題となった。その過程で民主党側議員を代表するシャーマン議員が日本に関連して次のような発言をやつぎばやにしたのだった。

 「日本は憲法上の制約を口実にアメリカの安全保障のためにほとんどなにもしないのに、アメリカは日本側の無人島の防衛を膨大な費用と人命とをかけて引き受けるのは理屈に合わない。日本側はこの不均衡を自国の憲法のせいにするが、かといって、『では憲法を変えよう』とは誰もいわない」

「2001年9月の9.11同時多発テロ事件でアメリカ人3千人が殺され、北大西洋条約機構(NATO)の同盟諸国は集団的自衛権を発動し、アメリカのアフガニスタンでの対テロ戦争に参戦した。だが日本はアメリカを助ける軍事行動は憲法を口実になにもとらなかった。その時、『日本はもう半世紀以上もアメリカに守ってもらったのだから、この際、憲法を改正してアメリカを助けよう』と主張する日本の政治家が一人でもいただろうか」

シャーマン議員が「日本側の無人島」と呼ぶのはもちろん尖閣諸島のことである。トランプ政権が尖閣も日米安保条約の適用範囲に入ると言明してすぐのこの発言はそのトランプ政権の政策への反対表明だった。ただし日本が憲法を改正し、集団的自衛権を行使できるようにすれば、日米同盟の不公正が減り、アメリカが尖閣を守ると誓約してもよいだろう、というわけだ。

 

■日本の防衛費増も求める

シャーマン議員は次のような発言も重ねた。

「アメリカなどが国際的な紛争を防止して、平和を保とうと努力するときでも、日本は血も汗も流さない。憲法のせいにするわけだ。日本の防衛費はGDPの1%以下だ。アメリカは3.5%、NATO加盟諸国は最低2%にするという合意がある」

そしてシャーマン議員は「日本が防衛費をGDPの1%以内にするというのは、それも憲法上の制約のためなのか」と証人たちに質問までをぶつけていた。同議員は以前にも日本の憲法が日米同盟を阻害しているから変えるべきだという議会証言をしていた。

日本側でもこんな事実があることをこの際、知っておいてもよいだろう。

*トップ写真:出典)ブラッド・シャーマン議員HP

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