東京都議選後の重い宿題 東京都長期ビジョンを読み解く!その54
Japan In-depth / 2017年7月24日 12時13分
西村健(NPO法人日本公共利益研究所代表)
「西村健の地方自治ウォッチング」
【まとめ】
・都民ファーストの会圧勝の理由は「古い政治」への批判。
・政治経験少ない都議が多く誕生。
・都民は都政を厳しい目で評価し、SNSで発信すべし。
■都民ファーストの会、圧勝
百花繚乱、もしくは千錯万綜。
7月2日の都議会議員選挙、都民ファーストの会が圧勝した。小池都知事への期待の高さ、クリーンな新しい都政への期待の強さを示したと言えよう。色々な分析はあるが、単純化すれば
論点:小池都知事の都政評価
影響要因:自民党のスキャンダル
ということだったと言えよう。
なんどもここで記載しているが、支持団体への過度の優遇、都政がなにやっているのかわからないといった「古い政治」が負けただけで、当然予測されたことだ。
今回当選した人たちは政治経験の少ないフレッシュな顔ぶれが並んでいる。彼ら・彼女ら目線で都政に対して問題意識を提起してほしいし、その意味で今後の都政に期待したい。長年、私が提起している内容は問われたとはいいがたい状況なので、そこは是非議会で進めてもらいたいもの。
他方、メディアは国政選挙との関係、人物ストーリーなどを中心とした報道で、都政の論点提起も出来ず、地方自治における第4の権力の限界を示したとも感じた。
今後、大事なことは3つある。
■【議員の宿題】修正案提案、調査、都の行革支援に取り組め
当選おめでとうございます!
今回当選した音喜多駿さん(都民ファーストの会、北区)、木下富美子さん(都民ファーストの会、豊島区)、舟坂ちかおさん(自民党、葛飾区)といった西村の尊敬する方がいる一方、経験・勉強不足の当選者も多いと思われる。
・華々しいキャリアで振る舞うが、人格的に疑問な人
・利益団体ばかり向いて、その人たちの顔ばかり気にする人
・都庁職員におんぶに抱っこする人
上記のような議員になってしまっては困る。「何とかチルドレン」「魔の2回生」のようなことにならないことを祈るばかりだ。
こうした都議会議員に求められるのは、仕事内容。
つまり、どれだけの「価値」をどう見せてくれるのか?
年収1600万円!庶民から見ると、かなり高額の所得をもらう人になるわけだから、「勉強していない」「わからない」という答弁では困る(そういうことはないだろうが)。単なる知識ひけらかしや利用者目線の意見でも困る。政策・施策の現状や数字・論点を踏まえた提言や分析を求めたい。
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