福島県相馬地方、苦難の透析患者
Japan In-depth / 2017年8月4日 23時0分
東日本大震災から6年が過ぎ、地元で有機的なネットワークが構築されつつある。今年4月、福島県立医大の理事長に就任した竹之下誠一氏も、このようなスタンスを応援している。同大学の関係者は「(竹之下理事長は)福島医大の面子にこだわらず、柔軟に対応する」という。東日本大震災以降、強い批判を浴び続けてきた福島県立医大も変わりつつある。
■大町病院の内科医退職問題
話を戻そう。ときわ会の応援は相馬地方の透析医療に大きな貢献をした。ただ、これだけで問題は解決しない。なぜなら、8月末で大町病院の内科医がいなくなってしまうからだ。前述した南相馬市立総合病院で人工透析を立ち上げるというのは、現実的な話ではない。
人工透析のノウハウがなく、専門の看護師や臨床工学技士がいないからだ。この話が持ち上がった背景には、市民病院なので、行政が補助金をつけやすく、「来年1月に控える南相馬市の市長選挙のためのバラマキ(南相馬市民)」という面があるのだろう。
実効性のある改善策は、大町病院で働いてくれる内科医を探すことだ。前出の常磐病院には内科医を出す余裕はない。7月末現在、福島県立医大から派遣されるという話もない。タイムリミットが迫っている。我こそはという医師がおられたら、是非、大町病院にお越し頂きたい。
*トップ画像)人工透析を受ける患者/Photo by Anna Frodesiak
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