北朝鮮のミサイルを撃墜せよ
Japan In-depth / 2017年8月12日 11時32分
・米軍は北朝鮮が次回に打ち上げる実験用の弾道ミサイルをその飛行中に撃墜する。具体的にはまず日本海などに展開する米海軍のイージス艦搭載のSM-3迎撃ミサイルにより発射直後の上昇段階にあるミサイルを撃墜すること目指す。米軍はこの能力はまだ演習で実証していないが、成功の確率は高い。
写真2:米海軍イージス艦USSフィッツジェラルドSM-3発射実験。(2012年10月25日)
出典)米海軍HP
・第二の迎撃方法として韓国に最近、配備された米軍のTHAAD(Terminal High Altitude Area Defense missile:サード「高高度防衛ミサイル」)により北朝鮮の実験発射ミサイルを上空飛行中か、あるいは終末の落下段階で撃墜する。
THAADの実験使用はこの7月にも成功しており、通算15回中すべて迎撃に成功した。またTHAADはアラスカやハワイにも配備されている。
写真3:韓国に搬入されたTHAAD発射装置(2017年3月5日)
Photo by MSgt Jeremy Larlee
写真4:グアムに配備されているTHAAD
出典)Stars and Stripes
・この迎撃方法は技術的に成功するという保証はなく、軍事的にも北朝鮮が戦争行為とみなして大規模攻撃で報復する可能性もある。だが米側は事前にこの迎撃が戦争行為ではなく、北朝鮮の領土を攻撃せず、あくまでも防衛的な手段だと通告すれば危険は減る。韓国や日本にも事前の了承を得る必要がある。
・一方、この迎撃が成功すれば北朝鮮側に与える軍事的、心理的な打撃は重大であり、金政権内部でも従来の核軍拡路線への反対が起きる公算も強い。アメリカは北朝鮮の核武装や長距離ミサイル開発を阻止するため30年近くも外交手段を講じてきたが、効果がなく、軍事手段に頼らざるを得なくなった。
同社説は以上のように述べて、この迎撃手段が米側からみても、また客観的にみても、決して北朝鮮に対する戦争行動でもなく、先制攻撃でもない、という点を強調していた。トランプ政権としても当然、考慮するオプションの範疇となるだろう。
(この記事には複数の写真が含まれています。全ての写真を見るには、http://japan-indepth.jp/?p=35473で記事をお読みください)
トップ画像:2017年7月30日に、飛行実験THAAD(FET)-01の間、アラスカ州コディアックのPacific Spaceport Complex Alaskaから発射されたTHAADミサイル。飛行中の中距離弾道ミサイル(MRBM)ターゲットを迎撃。
提供:US Ministry of Defense, Missile Defense Agency HP
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