日米繊維交渉“善処します”誤訳伝説 その1
Japan In-depth / 2017年8月12日 23時0分
同記者は「当事者として言いたいこと、反論したいことがあっても、外交官として許されない職業上の宿命と観念しているようにもうかがえた」と指摘しているが、余り知られていない話を紹介すると、外務省関係者からは、佐藤・ニクソン会談の四半世紀後に誤訳伝説を否定するコメントが出ている。
元駐タイ大使の岡崎久彦は1995年12月、五百旗頭真、田中明彦、村田晃嗣の3人の政治学者によるインタビューに対し、「沖縄返還の時の佐藤・ニクソン会談でね、佐藤さんが善処するっていって、それが通訳が間違えたっていうレジェンドになってるけど、違うんですよね。もっと踏み込んで約束したんですよ、あれは」と述べている。「通訳」とは赤谷に違いない。レジェンド、正に伝説のことだが、岡崎は95年末の時点で、赤谷によるものとみられる誤訳にまつわる伝説を否定していた。
この岡崎の発言で気になるのは、「もっと踏み込んで約束したんですよ」の部分だが、このインタビューではその内容には一切触れていない。踏み込んだ約束の内容を探るためには、会議録を精査するのが一番だろう。
(その2に続く。全4回。毎週土曜日掲載予定)
トップ画像:佐藤栄作首相とリチャード・ニクソン米大統領(1969年11月米ホワイトハウスにて)
出典)Richard Nixon Foundation HP
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※本稿は、日本メディア英語学会東日本地区研究例会(2016年6月11日)の研究発表、同年末に日本通訳翻訳学会の学会誌「通訳翻訳研究への招待」に寄稿した論文を基に執筆した。日本メディア学会と日本通訳翻訳学会には感謝申し上げる。今回の執筆の際、論文を編集し大幅に加筆するとともに、論文中のすべての引用英文を翻訳した。
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