全米拡大、南部英雄像撤去の動き
Japan In-depth / 2017年8月26日 10時1分
それがいま全米規模に広がったのは南部否定の流れに民主党系の政治家や活動家が集まり、トランプ政権攻撃の材料のようにして熱をこめ始めた要因が大きい。トランプ大統領が8月12日のシャーロッツビルでの事件の直後に白人至上主義側を非難せず、衝突した双方が悪いという趣旨の反応をみせたのは、南部が象徴した人種差別に加担するからだ、という糾弾が反トランプ勢力側から激しくぶつけられた。
しかしトランプ大統領は8月22日、南西部アリゾナ州のフィニックスでの支持者集会で1時間15分にもわたって演説し、シャーロッツビル事件では自分はその直後から白人至上主義側をも激しく非難していたという言明を繰り返し、その言明を無視するのは民主党系の主要メディアだと攻撃した。(図2)
Join me at 7:00 P.M. on Tuesday, August 22nd in Phoenix, Arizona at the Phoenix Convention Center! Tickets at: https://t.co/2kUQfKqbsx pic.twitter.com/5ua74dlVtq
— Donald J. Trump (@realDonaldTrump) 2017年8月17日(図2)トランプ大統領のツイートだが南部否定の動きはなおその輪を広げ始めた。南部のノースカロライナ州ダーラムでは14日、反対派を支持するデモ隊が1924年に設置された南部連合の兵士像を引き倒した。東部メリーランド州ボルティモアでは16日、市内の公園などにあったリー将軍の像など4基の記念碑を市当局が撤去した。東部ニューヨーク州でも16日、ブルックリン地区の教会近くにあるリー将軍の記念プレートを撤去した。
(写真3)倒される前の南部連合兵士像、ノースカロライナ州ダーラム出典)North Carolina Civil War Monument HP Photo by Tom Vincent
こうした動きはいまのアメリカにとって重大な意味がある。周知のようにアメリカでは北部と南部がアメリカ合衆国とアメリカ連合国として対決し、内戦を展開した。1861年から1865年まで血みどろの国内戦争が続いたのだ。その主要な原因は奴隷制を守ろうとする南部に対する北部の挑戦だった。結果は北部が勝利した。(図3)
(図3)南北戦争 スポットシルバニア・コートハウスの戦い(1864年5月8日~21日)Courtesy by Adam Cuerdenこの記事に関連するニュース
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