トランプ大統領 北朝鮮にお手上げ
Japan In-depth / 2017年9月4日 16時17分
こうしたなか注目されるのが、8月にトランプ政権を解任されたスティーブン・バノン前首席戦略官(63)が舞い戻った古巣の極右メディアサイト「ブライトバート(breitbart)」の論調だ。ジョエル・ポラック総合編集長(40)が執筆した論評は、「北朝鮮はトランプ大統領が設定した、越えてはならない一線である『レッドライン』を越えた」と断じた。
▲写真 スティーブン・バノン氏 2017年2月 Photo by Gage Skidmore
▲写真 「ブライトバート」ジョエル・ポラック総合編集長
その上でポラック氏は、バノン前首席戦略官の在職中の以下の指摘を引用した。「北朝鮮の勝ちだ。北朝鮮の攻撃の最初の30分間に1千万人のソウル市民が命を落とさないような解決策が見つかれば別だが、それまでは軍事的解決などない」。これが、トランプ大統領の「北朝鮮は炎と激しい怒りに直面する」発言を否定したものと受け止められ、バノン氏解任の一因となった経緯がある。
さらにポラック総合編集長は、「北朝鮮やその後見人の中国が想像もつかない技術的革新で「ソウルの火の海」を防ぐ方策を米軍がもたらさない限り、米軍の攻撃は奇襲にならざるを得ない。時間は刻々となくなる一方だ。」との悲観的な見解を示した。
翻って、地政学研究のシンクタンクで、米国防・外交政策にも強い影響力を持つ「ストラトフォー(Stratfor)」(本部・テキサス州オースティン)は、「北朝鮮はついに、核の防御力を持つに至った」との論評を発表した。ストラトフォーは、「影のCIA(米中央情報局)」との異名をとる機関である。
また、マイケル・モレル元CIA副長官(58)は、「金正恩朝鮮労働党委員長(33)は、米都市は核攻撃でリスクに直面することを示そうとした。」と述べ、「彼は精神異常者ではない。彼自身の世界において、非常に理性的だ。」と付け加えた。
▲写真 マイケル・モレル元CIA副長官とレオン・パネッタ元国防長官 2013年 出典:U.S. Department of Defense Archive
一方、昨年に共和党大統領候補の一人であったテッド・クルーズ米上院議員(46)は、「北朝鮮の核実験は、同国が大量殺戮を犯す能力が飛躍的に向上したことを示す」と論じ、「北朝鮮の脅威に対しては、米国のミサイル迎撃能力向上により多くの投資を行わなければならない」と結論付けた。
▲写真 テッド・クルーズ米上院議員 2013年 出典:flickr : photo by Jamelle Bouie
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