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トランプ大統領 北朝鮮にお手上げ

Japan In-depth / 2017年9月4日 16時17分

さらに共和党のジェフ・フレーク上院議員(54)は、「トランプ大統領の北朝鮮に対する強硬発言は、北朝鮮の核開発を遅らせる効果がない」と、発想の転換を求めた。


 


■中国に悪用される「どちらも悪い」


こうして手詰まり感が漂うなか、米『ロサンゼルス・タイムズ』紙は、「この緊急事態を受け、トランプ大統領が同盟国の韓国との自由貿易協定(FTA)を破棄しないよう求める声が高まっている」と伝えた。また、米政治評論サイト「ポリティコ(Politico)」は、「打つ手のないトランプ大統領が、中国や韓国に当たり散らしている」と評した。


さらに別の記事で『ロサンゼルス・タイムズ』紙は、「北朝鮮の核プログラムをやめさせるため、トランプ大統領は中国に頼ろうとしている」と報じた。


だが、頼みの中国の習近平国家主席(64)は、水爆実験を受けて「対話のみが『戦争の炎』を消せる」という、日本の憲法第9条も顔負けする平和的な世界観を披露し、米国に自制を求めた。ここ数か月、習主席は「米国も北朝鮮も自制せよ」という趣旨の発言を繰り返しており、両国を同列に「どちらも悪い」と示唆している。



▲写真 習近平中国国家主席 出典:flickr photo by Global Panorama


これはトランプ大統領が8月に、米バージニア州シャーロッツビルで白人至上主義者とそれに抗議する人々が衝突した事件で、騒擾を起こした白人至上主義者を名指しで非難せず、「どちらも悪い」と発言した論理が、そのままトランプ大統領に返ってきているのである。自身の論理で、トランプ氏は縛られているのだ。


 


■求められるトランプ大統領の発言の一貫性


振り返れば、過去数か月間のトランプ大統領の北朝鮮に関する発言は整合性がなく、ブレまくっており、将来の発言が重みをもって北朝鮮や中国やロシアに受け止められるか疑問がある。


具体的にトランプ氏は、



「全ての選択肢がある」「対話が答えではない」「金正恩は賢明な判断をした」「北朝鮮は炎と激しい怒りに直面する」「北朝鮮は米国を尊重し始めている」「北朝鮮への忍耐が尽きた」「北朝鮮の様子を見てみよう」「軍事解決の準備完全」「適切な状況下であれば金正恩と会談する」「今にわかる」「臨戦態勢にある」「中国の助けなくても解決」「北朝鮮に何もしない中国にとても失望」



など、一貫性がなく矛盾した発言を繰り返している。


中国の諺にある、「綸言(りんげん)汗の如し(皇帝の詔は一度出ると、取り消したり改めたりできないという誡)」の真逆である。


トランプ大統領が指導する米国が、北朝鮮を含む世界で真剣に受け止められるには、ビジョンを定め、一貫性を保つ必要がある。そうしてはじめて、金正恩を真に怖れさせ、制御することができるのだ。


(この記事には複数の写真が載っています。サイトによっては全部の写真が見ることが出来ないことがあります。その場合はhttp://japan-indepth.jp/?p=35923にて記事をお読みください)


トップ画像:北朝鮮の中距離弾道ミサイル火星12号 2017年5月 出典/MDAA(Missile Defense Advocacy Alliance)


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