海上防衛体制強化急げ 山田吉彦東海大教授
Japan In-depth / 2017年9月5日 8時5分
その上で「中国とアメリカが最終的に相いれるのはかなり難しい。少なくとも日米安保条約を基本に日米韓を見据えた形での安全保障体制の確立が求められる。」との考えを示した。
■海上の安全保障
山田氏は、「日本をとりまく海の状況は、危機を超えている」と述べ、さらに「尖閣諸島の周辺海域には常に中国の警備船が張り付いていて、その沖には1000隻もの中国漁船が来ている。日本海のEEZ(排他的経済水域)内には北朝鮮の漁船団が入っていて、今年6月1か月で日本の水産庁が追い返した船の数は延べ900隻にも上る。」と述べ、日本の周辺海域が危機的状況であることを改めて強調した。
また山田氏は、「海上保安庁も必死にやっているが、船も人も足りない。水産庁は丸腰で救助・取り締まりに当たらなければならない。」と述べ、現状、日本は海を守ることができていないと指摘した。
さらに「中国漁船を守る名目で中国海警局、人民解放軍が入ってきている。今年、中国海警局の船が日本の領海に侵入する事案も起こっている。自衛隊が沿岸を警備し、海上保安庁、海上自衛隊が連携しながら広い海を守っていく必要がある」と強調した。
▲写真:尖閣諸島沖で活動する海上保安庁の巡視船
出典)Al Jazeera English
また、山田氏は「他国の漁船団が日本海で乱獲しているため、日本の漁船は漁場を奪われている。また、日本製のレーダーを中国経由で持っている北朝鮮の漁船がいる。中国と北朝鮮は一体となって別の動きをしようとしている可能性もある。」と指摘した。
細川氏は、「日本は安全保障体制が整っていないこともあり、アメリカ頼みという実態もある。日本独自が軍事力を持たない限り根本的に解決できないのではないか。」と質問した。
山田氏は「日本は海洋国家で四方を海に囲まれていて、世界で6番目に広い海を持つといわれている。日本は海上防衛体制として、高度な装備を量的にも拡充し、人員を充足することが求められる。国民も自分の国は自分で守れる体制を支援していかなければならない」と主張した。
(この記事はラジオ日本「細川珠生のモーニングトーク」2017年9月2日放送の要約です)
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