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高まる北朝鮮の脅威 憲法改正急げ

Japan In-depth / 2017年9月5日 12時0分

高まる北朝鮮の脅威 憲法改正急げ

古森義久(ジャーナリスト・麗澤大学特別教授)

「古森義久の内外透視」

【まとめ】

・北朝鮮の6回目の核実験で日本への脅威かつてないほど高まる。

・しかし今の日本には、軍事的脅威を軍事的な手段で防ぐ仕組みがない。

・北朝鮮の脅威に対して日本は自国の防衛を縛るアメリカ製憲法を変えることが急務。

 

日本の防衛とは首相がアメリカ大統領と電話で話すことなのか――

こんな皮肉っぽい感想がつい浮かんでくる。北朝鮮の第6回目の核兵器実験に対するわが日本国の対応である。

北朝鮮は9月3日、全世界の反対の中で6度目の核実験を断行した。かつてない爆発規模、そして北朝鮮当局はこの爆発が水爆だったと宣言する。北朝鮮が独自の長距離核戦力の構築に向かっていよいよ最後の前進を果たしつつあるのだといえよう。

北朝鮮が弾道ミサイルに核弾頭を装備しての本格的な核武装を終えれば、アメリカへの脅威よりもまず隣接に近い日本への脅威はさらに重大となる。そもそも日本を敵視する北朝鮮が核ミサイルをいつでも日本に撃ちこめる態勢となれば、日本の安全保障へのその影響は深刻である。日本という国家の存在自体を根底から脅かすこととなろう。

北朝鮮は8月29日にも日本に向かって弾道ミサイルを発射し、北海道上空を越えて、日本領土からそう遠くない北太平洋上にそれを落下させた。北朝鮮当局は日本をアメリカの「追従勢力」と断じて、敵視したうえでの、こんな軍事行動だった。

▲写真 北朝鮮の中距離弾道ミサイル「火星12号」

だがその5日後の核爆弾の爆発実験でも、北朝鮮は日本をアメリカとともに標的と位置づけていたといえよう。この重大な危機の核実験に対して、わが安倍晋三首相はまずアメリカのトランプ大統領と電話会談をして、「日米韓で連携しながら、国際社会と共に協力し北朝鮮の政策を変えさせていくことで一致した」という。

▲写真 米トランプ大統領・露プーチン大統領との電話会談後の安倍首相の会見 2017年9月3日 出典:首相官邸HP

北朝鮮の暴挙に対して、安倍首相はこのところトランプ大統領との電話会談を頻繁に続けている。北の核にもミサイルにも、とにかくトランプ大統領の電話会談がまずありき、なのだ。日本独自の措置が出てこないのである。

安倍首相は日本国内ではこの北朝鮮の核実験に対して「断じて容認できない」と非難した。「アメリカ、韓国に加えて中国、ロシアをはじめとする国際社会と連携して断固たる対応を取る」とも語った。出てくる言葉はみなアメリカや韓国などとの連携なのだ。中国やロシア、さらには国連との連帯だともいう。

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