トランプ氏、弱腰韓国を非難
Japan In-depth / 2017年9月8日 7時30分
古森義久(ジャーナリスト・麗澤大学特別教授)
「古森義久の内外透視」
【まとめ】
・トランプ氏が韓国の北朝鮮に対する態度を「宥和的」とツイッターで非難。
・「宥和:appeasement」という言葉は、ミュンヘン会談でドイツの要求を受け入れた英チェンバレン首相を想起させる。
・韓国は猛反発、米韓関係に波紋広がる。
米韓関係はいま一つの単語によって揺さぶられている。こんな記述も決して誇張ではない。
トランプ大統領が得意のツイートで使った「appeasement(アピーズメント:宥和)」という言葉が大きな波紋をとげとげしく広げたのだ。
この語は敵性、侵略性の強い相手に不必要な妥協や譲歩をして、仲よくしようとする危険な友好姿勢を意味する。トランプ大統領が韓国の文在寅大統領の北朝鮮への姿勢を弱腰すぎると非難したように韓国側では受けとめられたのだ。
トランプ大統領は北朝鮮が6回目の核兵器爆発実験を断行した9月3日、次のようなツイートを発信した。英文を直訳すると以下となる。
「韓国は私がすでに告げていたように、北朝鮮とのappeasementの対話はうまくいかないことをいまや認知することとなった。彼ら(北朝鮮)はただ一つのことを理解するだけなのだ」
[embed]https://twitter.com/realDonaldTrump/status/904309527381716992[/embed]
この言葉の意味は当然、韓国側がこれまで北朝鮮に対して核やミサイルの問題で宥和的な対話という態度をとってきたと断じたうえで、その宥和がうまくいかないことを、いまこそ思い知っただろう――ということである。
そのツイッターの後半の「北朝鮮が理解するのはただ一つのことだけ」という意味らしい記述はここではあまり問題ではない。最大のポイントはトランプ大統領が韓国に対して「宥和」だと断じたことだった。
appeasement という英語の意味をもう一度、吟味してみよう。英語の一般の辞書でも多様な定義が示されるが、今回のような文脈で使われる場合のその定義はだいたい以下である。
「 相手の好戦的な要求に対してとにかく和解を優先し、正義や原則を犠牲にしてまで譲歩、妥協、あるいは後退すること」
だから日本語での訳は融和ではなくて、宥和とするのが適切だろう。
このappeasement という言葉は近代の世界史でも悪しき外交の実例を示す記録を残している。いわば汚辱の不名誉な言葉なのである。
-
- 1
- 2
この記事に関連するニュース
-
ルビオ次期国務長官を注視しよう(下)安倍首相の靖国参拝への支持
Japan In-depth / 2024年11月24日 19時0分
-
文在寅政権、軍事2級秘密のTHAAD情報を中国などに漏らしていた?=韓国ネットに批判殺到
Record China / 2024年11月20日 11時0分
-
日米韓首脳、15日会談 3カ国連携の制度化協議
共同通信 / 2024年11月14日 15時37分
-
トランプ外交政策が「やりたい放題になる」根拠 2期目は好き放題にできる環境が整う
東洋経済オンライン / 2024年11月7日 18時0分
-
トランプ氏、日本に負担増要求へ 多国間連携の枠組み骨抜きも
共同通信 / 2024年11月6日 20時38分
ランキング
-
1建築火災の専門家「密閉的な空間で放火されたらどうしようもない…」札幌すすきの“ガールズバー”爆発火災 火を放った疑いの41歳男性と20代女性従業員の間で交際トラブルも
北海道放送 / 2024年11月27日 19時56分
-
2玉木氏「パフォーマンスなので」 企業・団体献金の禁止めぐり 国民民主が野党協議欠席
TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2024年11月27日 18時21分
-
3出品者に情報提供求める=アマゾンジャパンの独禁法違反―公取委
時事通信 / 2024年11月27日 19時31分
-
4斎藤元彦知事の代理人、PR会社経営者の投稿は「事実を盛っている」…広報全般を任せた「事実ない」
読売新聞 / 2024年11月27日 20時27分
-
5国民民主・玉木氏、異例の官邸訪問=石破首相に原発新増設を要望
時事通信 / 2024年11月27日 20時9分
複数ページをまたぐ記事です
記事の最終ページでミッション達成してください