止まぬ北の核開発 米朝もし戦わば?
Japan In-depth / 2017年9月20日 19時40分
写真)米韓合同訓練 韓国軍の強襲水陸両用車 2017年9月13日 出典)flickr U.S. Pacific Command
結局は、北朝鮮とは対話外交で戦争を避けるしかないが、北朝鮮への制裁を巡ってもアメリカと中国、ロシアとの間でなかなか方針が一致できないのが実情なのだ。
北のミサイルは10分以内に日本へ
安倍首相は北への対処方針はアメリカと完全に一致しているとし、日本の安全を強調するが、北がミサイルを発射すれば10分内外で日本に到着(グアムまでは14分)し、現代の技術で到着前に撃墜することは殆んど不可能とされている。アメリカが守ってくれるといってもミサイル戦争になれば、日本が独自に対応できる術はないといっても過言ではない。
写真)防衛省に配備されているPAC-3 出典)防衛省HP
先日、北朝鮮は北海道沖を通過するミサイルを発射したが、「日本は迎撃しなかった」と政府筋は弁明している。迎撃しなかったというより即時には航跡もわからず迎撃できなかったというのが実情だろう。
一番確実な迎撃法は、敵の発射前に相手基地を攻撃することだが、日本としては相手が確実に日本を攻撃してくるという証拠を掴むなど、いくつもの要件が揃わないと“先制攻撃”となり「核を持たない、作らない、持ち込まない」という日本の国是にふれることになってしまう。先制攻撃を行なうにしてもアメリカにやってもらうしかないわけだ。
米朝の直接交渉も
北朝鮮が8月29日に発射した弾道ミサイルはグアムをいつでも攻撃できると誇示する狙いがあったとみられている。アメリカの報復を避けるため意図的に方向と距離を調整したようで、5月に成功させた中距離弾道ミサイルは「火星12」だったと推測されている。
液体燃料を使った一段式ミサイルで発射後は高度約2100キロに達し、約800キロ飛行して朝鮮半島の東約400キロの日本海に落ちたが、通常角度で発射すれば射程は5000キロに達するとされる。
この後、北朝鮮は「我々は核強国であり、ICBM保有国として北朝鮮を侵害する敵を物理的に征圧できる力を持った」と主張。アメリカが危険な米韓合同演習などで挑発を行なえば「報復と懲罰を受けることを覚悟せよ」と警告している。
ただわかりにくいのは、北が対抗できる強力な手段を持ったとしても、その最終的な狙いは何なのかということだ。本格的戦争になれば北の敗北は必至なのだから、北もやはりアメリカと直接交渉して有利な生き残り手段をみつけたいということになるのだろうか。
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