朝日の虚報、尖閣への日米安保適用で
Japan In-depth / 2017年9月21日 23時0分
・共和党ブッシュ政権時代の2004年3月、中国の活動家が尖閣諸島に上陸した際にも、国務省副報道官が記者会見で「日米安保条約は日本の施政下にある領域に適用され、尖閣諸島にも適用される」との見解を明言した。
▲写真 小泉元首相と面会するジョージ・ブッシュ米元大統領 2005年11月16日 京都にて 出典:U.S. State of Government
・共和党ブッシュ政権では2004年にリチャード・アーミテージ国務副長官が尖閣諸島には日米安保条約が適用されると明言した。
▲写真 リチャード・アーミテージ国務副長官(当時) 出典:U.S. Government
以上のような事実は朝日新聞の「米国が初めて尖閣への『安保条約適用』を明言したのはオバマ前政権下の2010年」という報道が事実ではないことを明示している。
実はアメリカの尖閣防衛誓約は1972年から明確にされてきた。同年5月に尖閣諸島はアメリカの統治下から沖縄諸島とともに日本側に返還された。その際に施政権は確実に日本国に返された。だからこその返還である。
日米安保条約第五条(注1)は「日本の施政の下」にある領域の防衛にはアメリカもあたることが明記されている。だから尖閣諸島が日米安保条約の適用の対象になることはこの時点でアメリカから日本に明確に伝えられていた。その事実を示す公文書が厳然と存在する。日米両国政府間ではそのことは「明言」されてきたのだ。
オバマ大統領が日米安保の尖閣適用を明言した際に、「とくに新しいことではない」と述べたのもこうした歴史を踏まえたからだといえよう。
ただし1990年代後半の一時期、このアメリカの尖閣防衛責務が揺らいでみえたことがあった。
クリントン政権時代の1996年9月、当時の駐日アメリカ大使のウォルター・モンデール氏が「米軍は尖閣諸島の紛争に介入する日米安保条約上の責務を有していない」と述べたという記事がニューヨーク・タイムズに載ったのだ。当時のアメリカ国務省もモンデール大使の言葉をすぐには否定しないという期間があった。
▲写真 ウォルター・モンデール元駐日アメリカ大使 出典:United States Department of State
だがクリントン政権のキャンベル国防次官補代理ら他の政府高官がまもなくモンデール発言を否定する形で、日米安保の尖閣適用を明言するようになった。2001年1月に登場したブッシュ政権も前記のようにアーミテージ氏らが同趣旨を明言したわけだ。
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