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非常識な麻生氏武装難民射殺発言

Japan In-depth / 2017年9月24日 23時0分

写真)海上保安庁 巡視船 PLH07「せっつ」 第51回海上保安庁観閲式にて Photo by Sizuru

■ 武器そのものは問題とはならない

そして最後に付け加える点は、武器携行そのものはさほどの問題ではないことだ。

武器は日本入域に際して放棄すれば問題とはならない。日本領域外で武器を所持してもそれは犯罪とはならない。さらに日本権力下に入る段階で放棄させれば解決する話だからだ。海上で放棄させ、上陸時に再チェックすればよい。

そもそも、難民の武器は日本に向けられるわけではない。携行する必要があるとすれば、それは北朝鮮の官憲に抵抗するためであり、船内治安維持のためである。日本人に向けるためではない。

それを一律して、敵対行為であるかのように敵視するのは適切ではない。海保や海自、税関の艦船、上陸港に朝鮮語の通訳を用意する。人が足りなければ民団・総連に協力してもらってでも配置し、安全が確保された旨、日本の法律上の問題を告げればほぼ素直に放棄する。

むしろ、実務上の厄介は覚醒剤だろう。北朝鮮では覚醒剤を常用するとされている。特に難民となると船員や漁民は長時間の航海に耐えるために使用し、あるいはタバコ等と同様に一種の通貨として持ち込む可能性がある。

写真)門司税関博多税関支署が摘発した覚醒剤 平成28年10月26日、犯則嫌疑者1名が韓国釜山から博多港に入国する際、覚醒剤を密輸入しようとしたところを入国時の税関検査で発見、関税法違反事件として摘発したもの。【犯則物件】覚醒剤 1,059.65グラム(末端価格7,400万円相当、薬物乱用者の通常使用量約35,300回分)出典)税関「各税関の摘発事件発表(平成29年)

正統な所持品と考えられると放棄は揉める。武器放棄は相手の権力下に入る象徴として理解できる。だが、嗜好品を捨てろとは理解され難いためだ。仮に全面禁煙の国に救助された時、ポケットを弄られてタバコを奪われたらどう感じるかといったものだ。その点で武器の放棄よりも厄介があるだろう。

さらには、上陸以降に関しても常用者の中毒症状やそれによる危険行動も問題となるだろう。

* 「麻生副総理『警察か防衛出動か射殺か』 武装難民対策」『朝日新聞デジタル』(2017年9月24日)http://www.asahi.com/articles/ASK9R6DCPK9RUTFK00J.html

トップ画像:麻生太郎衆議院議員 2009年1月31日 flickr : World Economic Forum


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