小池都政、成果あり 東京都長期ビジョンを読み解く!【特別編】
Japan In-depth / 2017年10月1日 21時0分
西村健(NPO法人日本公共利益研究所代表)
「西村健の地方自治ウォッチング」
【まとめ】
・小池都知事の衆議院議員選挙出馬が取りざたされる中、これまでの成果を疑問視する声も。
・小池都政1年を見ると、「都政のオープン化」「政党復活枠廃止」などそれなりの成果を上げている。
・まだまだ都政は事業の目標設定や評価の点で問題も多く、一層の取り組みが望まれる。
■ 小池の乱?
衆議院が解散し、総選挙が10月22日(日)に行われることになった。この文章を書いている今現在、小池都知事の衆議院選出馬の是非については明らかになっていないが、その可能性が取りざたされている。
この一週間、民進党の解党など、政治に近しい私から見ても、何が起こっているのか、ふと迷子になった気分になった。演劇を見ているようだ。しかも、猛スピードで展開。
世の中に仕掛けを繰り出し、人をあっと言わせる能力にたけ、世論を見極める天才である「魔術師」小池百合子氏がどう出るか、注目が集まる。
▲写真 小池百合子都知事 出典:東京都HP
そうした中、「(小池都政は)この1年で成果が出ていない」「(小池氏が都知事をやめることは)都政を投げ出すことだ」という批判がメディアで騒がしい。
■ 1年でこれだけの成果
僭越ながら、長年都政をウオッチしてきて、小池都政についてもこの連載で批判的であった私が地方自治の専門家として言わせてもらえば、この1年かなりの成果があったと考える。
第1に、都政がオープンになり、問題が露出したこと。豊洲市場問題は解決していないという批判は多いが、そもそもこれまでの負の遺産である。問題も様々な要因が複合的に絡み合っている。利害関係者は数多い。こうした問題が表面化したこと自体、彼女の功績だし、そもそも問題が浮上しないままで、我々は知らないまま末代に大きなリスクになっていた可能性がある。
▲写真 東京都議会議場 平成29年9月20日 出典:平成29年第3回定例会
第2に、都政における「リセット」。私も驚いたが、予算編成で慣例の「政党復活枠」というものが以前は存在した。業界団体は自分たちの要望を予算化できるよう、補助金がもらえるように都議に提案、その要望を受けた政党が都に提案し、結果、事業として予算がつけられる。
・各種団体は事業や補助金で利益を得る
・政治家は団体に恩を売れる(票も期待できる)
・各種団体に所属していない人々が(知らない間に)薄く負担をしている
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