歪んだ世界の日本観2 有色人種の「文化」
Japan In-depth / 2017年10月2日 9時49分
古森義久(ジャーナリスト・麗澤大学特別教授)
「古森義久の内外透視」
【まとめ】
・世界経済フォーラムのジェンダー・ギャップ指数はバカげたリポート。実態を表していない。
・欧米人が日本について語る時、必ず日本の〝文化〟を持ち出す。
・米欧の評者は、日本社会は民族特有の文化的特質により説明できると主張している。
キンモンス: 「世界経済フォーラム(World Economic Forum)」(非営利財団/スイス・ジュネーブが本拠地)という団体が、毎年「ジェンダー・ギャップ指数(Gender Gap Report)」という調査結果を発表しています。しかし、あれは調査方法に意味のない実にバカげたレポートです。このあいだも、私は有名なイギリスの雑誌のある記者と、あのレポートをめぐってフェイスブックを通してやり合いました。
古森: 「世界経済フォーラム」は年次総会として、世界の政治家、実業家、メディアなどが参加するダボス会議を開催していますね。
キンモンス: イギリスの記者は、「このレポートによれば、日本の女性の社会的地位は世界でも非常に低い。調査対象145ヵ国中101位だ」と、その結果を鵜吞みにしていました。しかし、彼はその指数がどのように算出されているかについてはまったく知らなかった。
その指数は、実はすべて女性対男性の数字の比率で決められているのです。たとえば女性の就労率をみると、日本は79位、アゼルバイジャンは17位。これは、日本における女性の就労率が66%なのに対し、男性は85%だからです。アゼルバイジャンはというと、女性の就労率は67%で日本とほぼ変わらない。しかし、男性の就労率が72%しかないから、相対的に日本よりずっと働く女性が多いという結果になり、日本よりはるか上位にランクされるのです。だから、ここで算出される順位だけでは実態がわからない。
古森: 日本は働いている男性が多いので、女性の地位が低く見える結果になっているということですね。
キンモンス: 次に女性の高等教育(Tertiary education)への進学率です。Tertiaryは「三番目」という意味で、英語のTertiary educationは大学と専門学校を指します。日本の高等教育機関への進学率の男女比は、女性60%対男性65%と、ほとんど変わりません。しかし、トップのイギリスでは女性の57%に対して男性は24%しかない。これは絶対指数ではなく、あくまでも男女の比較ですから、逆の立場から言えば、男性の社会的地位が低ければ低いほど、女性差別のない、いい国だということになります(笑)。
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