米で北朝鮮核武装容認論浮上
Japan In-depth / 2017年10月4日 9時31分
古森義久(ジャーナリスト・麗澤大学特別教授)
【古森義久の内外透視】
【まとめ】
・トランプ米大統領と安倍首相、北朝鮮の核武装を激しく非難、圧力を強めている。
・しかし、アメリカ国内で北朝鮮の核兵器開発容認論がじわりと出始めた。
・日本へのアメリカの拡大核抑止が空洞化する危険性も。
【注:この記事には複数の写真が含まれています。サイトによっては全て表示されず、写真の説明と出典のみ記載されていることがあります。その場合はJapan In-depthのサイトで記事をお読みください。】
国連総会ではアメリカのトランプ大統領と日本の安倍晋三首相がともに北朝鮮の核武装を激しく非難した。両首脳ともその阻止のための強い対決姿勢を強調した。日本にはその阻止の物理的な力はないとはいえ、日米連帯の強固な構えには期待が大である。
写真)国連総会で北朝鮮を非難するトランプ米大統領 2017年9月21日
出典)United Nations Photo
ところがアメリカの一部ではいまになって、その日米連帯を根元から崩しかねない北朝鮮の核兵器開発容認論がじわりと出始めた。日本にとってもきわめて危険な黄信号である。
とくにこの容認論は「北朝鮮との対話を」という主張と重なりあっている部分が大きい。「対話」案は一見、なお北朝鮮の核武装を阻む手段のようにして提示されるが、これまでの20数年間、その種の対話や交渉は単に北朝鮮に核武装の前進のための時間を与える結果に終わって「アメリカは北朝鮮に核放棄をさせるにはもう軍事手段しかないから実利的な戦略として北の核武装を受け入れ、伝統的な抑止力でそれを抑えるべきだ」軍事手段は絶対に使えないとしたうえでの容認論なのである。
オバマ政権で国家情報長官だったジェームズ・クラッパー氏も「北の核武装は受け入れたうえで、コントロールの方法を考えるべきだ」と述べた。クリントン政権で米朝核合意の交渉役だったロバート・ガルーチ氏も最近、「北の核兵器も抑止は可能だ」と語った。
写真)ジェームズ・クラッパー氏
出典)Office of the Director of National Intelligence
写真)ロバート・ガルーチ氏
出典)US-KOREA INSTITUTE AT JOHNS HOPKINS SAIS
-
- 1
- 2
この記事に関連するニュース
-
迎撃不可能、ウクライナに最新式中距離弾道ミサイル「オレシニク」発射 プーチン大統領に焦り「トランプ復帰までに決着狙いか」
zakzak by夕刊フジ / 2024年11月24日 10時0分
-
ウクライナ情勢 ロシアは核使用の脅しやめよ
読売新聞 / 2024年11月23日 5時0分
-
「予測不能な男の再登板」ウクライナ・ガザ・中台・朝鮮半島・・・世界の安全保障の気になる行方は?
ニューズウィーク日本版 / 2024年11月13日 14時16分
-
トランプ外交政策が「やりたい放題になる」根拠 2期目は好き放題にできる環境が整う
東洋経済オンライン / 2024年11月7日 18時0分
-
中国の台湾戦略、そして尖閣戦略は その5(最終回) 中国の核の脅しと日本の麻痺
Japan In-depth / 2024年10月31日 17時0分
ランキング
-
1G7外相会合で「ロシアに武器輸出」非難に中国政府「武器を提供したことはない」と反論
TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2024年11月27日 18時41分
-
2レバノン停戦、市民に不信感も=「双方が違反する」と懸念
時事通信 / 2024年11月27日 19時55分
-
3中東、レバノン停戦を歓迎=イラン「犯罪者の処罰」訴え
時事通信 / 2024年11月27日 20時28分
-
4ソウルで記録的大雪=11月の最多積雪更新―韓国
時事通信 / 2024年11月27日 19時31分
-
5ミャンマー軍トップに逮捕状を請求 国際刑事裁判所の主任検察官「ロヒンギャの迫害に関与」
TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2024年11月27日 20時47分
複数ページをまたぐ記事です
記事の最終ページでミッション達成してください