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北の軍事挑発に一喜一憂は禁物

Japan In-depth / 2017年10月10日 17時31分

 同様のことはグアム島方面についても言える。グアムの領海内に落としただけで、下手をすると朝鮮戦争パート2が始まる。その時は北朝鮮が崩壊する時だから、金正恩も無理はしないはずだ。このゲーム、各チームが合理的に行動して誤算が生じない限り、戦争は起きないはずなのだが。怖いのは誤算である。

 

〇 欧州・ロシア

  9日から英国のEU離脱に関する交渉が再開される。10日にはスペイン・カタルーニャ自治州の大統領が住民投票に関する報告を行うという。ここで独立宣言しても、どうにもならないと思うのだが。10日は他にも重要なイベントがある。トルコ大統領がセルビアを訪問、仏では公務員がストをやり、イタリアでは難民の増大が議論される。

写真)カタルーニャの市民によるデモ

Photo by Lohen11 - Josep Renalias


  11日には英国のEU離脱後のキプロスにある英軍基地の取り扱いについて両国で協議が行われる。また15日にはオーストリアで議会の総選挙がある。先日のドイツ総選挙では右派系ナショナリスト政党が第三党に躍り出た。これがオーストリアにも飛び火するようなら、欧州で再びポピュリズムへの懸念が再燃するだろう。

〇 東アジア・大洋州

  9日には韓国で休日が終わり、10日は台湾で国慶日、北朝鮮では労働党創建記念日がある。同日は日本では総選挙の公示日で、投票は10月22日となる。15日には中国でカザフスタンの天然ガスの輸入が始まる一方、米空母ロナルド・レーガンが韓国海軍と合同演習を行う。何事も起きなければ良いのだが。

写真)韓国海軍駆逐艦と合同演習する米海軍空母ロナルド・レーガン 2015年10月

Photo by MC3 Nathan Burke

〇 南北アメリカ

  9日からカナダ首相が米国とメキシコを訪問する。NAFTAは一体どうなるのだろうか。それにしても、ワシントンの「統治能力」が悪化しているのに、その変化が余りに日常的で、漸進的で、しかも人々がそのショックに慣れ始めている。このままだとワシントンの劣化がpoint of no returnを越えるかもしれぬ。

〇 中東・アフリカ

  最近米・トルコ関係が悪化している。トルコ治安当局が在イスタンブール米国総領事館の現地職員を逮捕したことへの報復なのか、8日、在トルコ米大使館は米国一時滞在に必要な非移民ビザのトルコ国内での発給を無期限で停止すると発表した。在米トルコ大使館も同日、同様の措置をとったという。

 今のような両国関係の悪化を一体誰が予想しただろうか。先週も書いた通り、最近のエルドアンの欧米離れは顕著だが、トルコはNATOのメンバーであり、米国の対中東政策の要の国だ。このまま放置すれば、米国にとって、また欧州にとっても失うものが大き過ぎる。手遅れにならないうちに、関係修復をしておかないと心配だ。

写真)トルコ エルドアン大統領 ロシア訪問 2017年5月3日

出典)ロシア大統領府HP 


〇 インド亜大陸 

  特記事項なし。今週はこのくらいにしておこう。いつものとおり、この続きはキヤノングローバル戦略研究所のウェブサイトに掲載する。

 

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