独裁者マルコスの再来か ドゥテルテ比大統領
Japan In-depth / 2017年10月11日 12時55分
ドゥテルテ大統領は「マニラ市民の混乱回避と安全確保のため」として、21日に政府関連施設や学校を休みとすることを検討。21日には、警備にあたる警察側との緊張した場面も予想される事態となっている。
ドゥテルテ大統領は、大統領就任直後からイスラム系反政府組織、共産勢力との和解路線を提唱してきた。しかしフィリピン共産党とは停戦で合意したものの、政治犯の釈放などの条件交渉が難航し、停戦合意は崩れ、今年6月以降だけでもダバオやパンガシナ州、ミンダナオ地方など各地で交戦が続く事態となっている。
こうした事態打開のため、ドゥテルテ大統領の胸中には、「戒厳令の全土拡大で共産勢力の一掃」という思いが生まれているのは間違いないとみられており、世論の動向をみながら、そのタイミングを見計らっている可能性が強い。
歴代政権が踏み切れなかったマルコス元大統領の遺体のマニラ英雄墓地への埋葬を実現させ、マルコス元大統領の生誕100年にあたる9月11日を、出身地北イロコス州限定の休日とすることを許可したのもドゥテルテ大統領である。
▲写真 フィリピン英雄墓地 Photo by Jsinglador
こうしたドゥテルテ大統領とマルコス元大統領や、その一族との関係をフィリピンの一部マスコミ関係者は「憧れの指導者とされるマルコスへの道を歩み始めた」と指摘、独裁者マルコスの「再来」への警戒感も強まっている。
トップ画像:2017年10月2日、マラウィ市へ6回目の訪問をする比ドゥテルテ大統領 Photo by the Presidential Photographers Division 出典/Presidential Communications Operations Office、Republic of Philippine
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