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社会保障改革を進めよ 法政大学教授小黒一正氏

Japan In-depth / 2017年10月11日 18時20分

そこでもし仮に2兆円分さらに歳出を拡大すると12~13兆円に赤字が拡大する。オリンピックが終わり、団塊の世代が医療介護にお金をたくさん使っていくことになると、財政の問題を解決するのは非常に難しい。


教育関係、子育て支援の対策に力を入れるというのは非常に重要だが同時に医療介護、年金も含めた社会保障の改革を進めていく(ことが重要だ)」と述べ、現実的に財政を考えると、教育、子育て対策と同時に社会保障改革の必要性も指摘した。


また、「2020年にプライマリーバランスを黒字化するのは、現状として約10兆円の赤字となっているので消費税に換算するとさらに4%くらい増税しなければならない。(2019年に)消費税が10%になった上で、15%くらいに引き上げなければならない状況で、かなり厳しい。


したがって2025年くらいにさらなる歳入改革と同時に社会保障改革をしていくという新しいプランを作っていけるかどうかに政権与党の責任がある。」と述べ、財政再建のための新たな歳入改革と社会保障改革の必要性を改めて強調した。


 


■ 企業の税負担


法人税減税について、小黒氏は「各国共に海外から資金を投資してもらったり、企業を呼び寄せたりするために法人税引き下げ競争をしている。」と述べた。


一方で、小黒氏は「実はもう一つ見過ごされている負担がある。特に日本の場合は、法人税よりも重い負担が膨張している。それは社会保障の保険料である。(保険料は)企業と個人(従業員)で折半する形になっている。足元で約60兆円納めていて、企業の負担分は30兆円を超える状況である。


片や国の税収は、一般会計約100兆円の半分が税収で法人税収は30兆円もない。社会保険料の負担は重くなっている。」と述べ、企業の負担を減らすべきだとの考えを示した。


また、「国の法人税だけではなく、地方法人税がある。これも東京はまだ高い。その辺を下げていく。」と述べ、小池都知事が掲げる『東京金融特区』を実現するため、東京都の法人税を下げる政策を提案した。


 


■ 消費税増税と歳出削減


細川氏は「小池都知事が代表を務める希望の党は消費税増税そのものを反対しているが?」と質問した。


小黒氏は「希望の党は、消費税(増税)は凍結する(という政策である)。対になるのは歳出改革だ。過去には民主党が政権をとって歳出改革で16.9兆円を出すとして事業仕分けを行ったが、(結果的に)出てこなかった。果たして本当にどれだけできるのか。むしろ(歳出カットには限界があるので、消費税を引き上げる)自民党・公明党のプランの方が現実的ではないか」と答えた。


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