究極の「負け惜しみ」 朝日の総選挙評
Japan In-depth / 2017年10月25日 22時28分
これまた矛盾だらけの記述である。「安倍ブランド」はいま国際的にも強いではないか。有権者が「長期政権に対する飽きや嫌気を感じている」ならばなぜその大多数がその長期政権への票を投じたのだろうか。そもそも中村記者が断定する有権者全体の「飽きや嫌気」の存在はどんな根拠からなのか。ただ自分の願いだけ、悔しさだけからの記述ではないのか。
≪圧倒的な与党の議席獲得と、民意のバランスや濃淡とのズレが、広がっているのだ。首相は、まずその現実を認識する必要がある。おごりやひずみが指摘され続けた「1強」政治を続けるのか。政治姿勢を見直す機会とすべきではないか≫
これまた一方的な無根拠の主張である。現実には民意の結果が与党の議席獲得なのである。民主主義の選挙の真実だろう。だが中村記者はその真実を認めない。むしろ真実を逆転させ、勝手に「ズレ」を主張する。ズレを語るならば、ぜひとも朝日新聞と民意とのズレを考えてほしい。
▲写真 朝日新聞本社(東京中央区) Photo by PRiMENON
中村記者はさらに今回の選挙を安倍首相の政治姿勢を見直す機会にせよと求めるが、これまた異様な倒錯である。政治姿勢を見直す機会がこんどの総選挙だったのだ。国民の審判が少なくともいま下ったのである。その「結果」を「機会」と位置付ける中村記者のスタンスはまさに主客転倒だろう。
≪反省、おわび、謙虚、丁寧な説明・・・・。首相はこう繰り返したが、これから言行一致が問われる。(中略) この先の民意の行方を首相が読み誤れば、もっと苦い思いをすることになるだろう≫
以上がこの記事の結びだった。中村記者はあくまで今回の選挙結果を論じることを避け、「これからの言行一致」へとホコ先を転じる。首相への民意の支持が証明された直後に「この先の民意の行方」だけを論じる。首相が明らかに苦い思いを減らした選挙だったのに、「もっと苦い思い」を根拠もなく強調する。
それほどまでに自分たちの非や負を認めたくないのか。敵の勝利を認めたくないのか。一瞬でも、朝日新聞こそが「民意の読み誤り」や「もっと苦い思い」を味わうべきだという自省はわかないのだろうか。
トップ画像:衆院選2017 遊説中の安倍首相 出典/自民党Facebook
【訂正】2017年10月26日
本記事(初掲載日2017年10月25日)の本文中、「おこりやひずみが指摘され続けた「1強」政治を続けるのか。」とあったのは「おごりやひずみが指摘され続けた「1強」政治を続けるのか。」の間違いでした。お詫びして訂正いたします。本文では既に訂正してあります。
誤:おこりやひずみが指摘され続けた「1強」政治を続けるのか。
正:おごりやひずみが指摘され続けた「1強」政治を続けるのか。
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