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この不要なもの航空観閲式

Japan In-depth / 2017年10月29日 10時14分

この不要なもの航空観閲式

文谷数重(軍事専門誌ライター)

【まとめ】【航空観閲式は台風の為中止となりました。】

・10月29日、航空自衛隊が航空観閲式を実施する予定。

・観閲式や観艦式は軍隊の威容展示が目的だが、国民の目に触れないので広報効果はない。

・防衛費の制約が厳しい中、定期行事としての観閲式、観艦式はもうやめたほうがよい。

 

【注:この記事には複数の写真が含まれています。サイトによっては全て表示されず、写真の説明と出典のみ記載されていることがあります。その場合はhttp://japan-indepth.jp/?p=36916で記事をお読みください。】

 

航空観閲式は必要だろうか?

10月29日、航空自衛隊が航空観閲式を実施する予定だ。茨城県にある百里基地で戦闘機ほかを飛ばし、それを自衛隊指揮官である内閣総理大臣が閲する。

これは陸海空が3年ローテーションで実施する儀式だ。初年には陸自が狭い朝霞演習場をパレードする観閲式を行う。翌年には海が相模湾で2艦隊に分かれてスレ違う観艦式を行う。そして最終年には空自が百里で飛行機をグルグル周り航空観閲式を行う。

▲図 百里飛行場 出典:Eurodollers

最も新しい自衛隊行事でもある。旧軍以来の陸海の観閲式と観艦式を空自は羨ましく思っていた。そこで「空にもやらせろ」といった理由で始まった横並び行事である。

だが、百里での展覧飛行に意味があるのだろうか?誰も見ていない片田舎で飛行機を飛ばしたところで国民は誰も見ない。そのような行事に意味はない。

 

■ 誰も見ない航空観閲式

航空観閲式ほど無駄なものはない。見世物でありながら国民は誰も見ないためだ。そもそも一般客は入場できない。参列招待者限定の行事であり一般開放されていない。

さらに会場は百里である。首都圏にある空自飛行場で観閲式ができる場所はそこしかない。もう一つの空自基地、入間は使えない。市街地にあり騒音を伴うジェット戦闘機は基本的に飛ばさない。展覧飛行や曲技飛行に関しても同じだ。基地祭のように1日だけならともかく、複数日の予行を伴う航空観閲式はできない。

▲写真 2014年航空観閲式 出典:航空自衛隊

厚木や横田、下総(柏)はそれ以下だ。厚木や下総は市街地問題に加えて空自基地ではない問題がある。横田も共同利用のレベルは低い。一日占用させてはもらえない。

百里では田舎すぎて場外見物も出ない。そもそも騒音を出しまくるジェット戦闘機をおける基地だ。人口密度は低いので地元住民はそれほどいない。東京から遠いので見物も来ない。鉄道は通じていない。そのためバス便に頼ることになるが東京駅からは2時間はかかる。

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