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この不要なもの航空観閲式

Japan In-depth / 2017年10月29日 10時14分

つまり参加者限定イベントなので広報効果はない。招待者や、飛行場外から写真を撮る航空ファン、正確に言えば航空写真ファンだけの行事でしかない。

 

▲写真  航空自衛隊百里基地航空祭第11飛行隊ブルーインパルスT-4 練習機によるワイド・トゥ・デルタ・ループ 2009年9月13日 出典:Cp9asngf

その点で無駄である。観閲式や観艦式は軍隊の威容展示が目的である。そのため航空観閲式も1万人を超える人員を動員し、整備コストや燃料代を費やして展示飛行を行う。だが、それを見るものはいない。航空観閲式は廃止したほうがよい。そういうことだ。

 

■ 定期観閲式も定期観艦式も無駄

さらにいえば陸海の観閲式、観艦式も見直したほうがよい。あまり人が見ない点は同じだからだ。陸自担当の中央観閲式は締め切った朝霞演習場の中で行われる。市民の面前ではない。海自の観閲式も相模湾沖で行われる。これも陸岸から見える距離ではない。航空観閲式ほどではないが、やはり露出効果は小さい。しかも、その割には金と人手は無駄遣いされている。

▲写真 陸上自衛隊観閲式 2010年10月24日 出典:JGSDF

▲写真 陸自観閲式 2010年10月24日 出典:JGSDF

観閲式は準備期間が長すぎる。陸海空とも参加人員は1ヶ月半は行進練習ばかりやらされる。整列時につま先が直線で揃うか、それを紐をひっぱってチェックする。担え銃の角度は正しいか、巨大三角定規で修整する。いずれも全く実用性に欠ける訓練だ。その間はまともに仕事にならない。人件費の無駄だ。

観艦式も10日は業務が停まる。まず艦隊と艦載ヘリが前線や整備補給から離れて東京諸港に入る。その支援で海自の陸上部隊も巻き込まれる。以前あった木更津航空補給所の例では人員の92%が支援に投入されたこともあった。その週もほぼ業務停止、かつ土日も振替出勤のため翌週月火も休みと大きく祟るものだ。

▲写真 航行する受閲艦艇部隊(撮影:23空 岡山3曹)出典:自衛隊観艦式2015

 

■ 国家慶事に東京で行うもの

そもそも、10年一度の行事を毎年実施するのがおかしいのだ。

観閲式や観艦式は国家慶事に一回こっきりで行う儀式である。皇室慶事、戦勝に合わせて国民の面前において国威を見せつけるものだからだ。

例えば明治38年の観艦式だ。日露戦争の戦勝記念として国民や諸外国に見せつける行事であった。そのため東京市内から至近の品川沖、陸岸から見える範囲に軍艦を並べて行われた。ロシア捕獲艦はわかりやすいように煙突を黄色く塗った。さらに民船による参観も差し支えなかった。

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