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仏でも介護ロボ活躍中

Japan In-depth / 2017年11月3日 13時8分

 

写真)アザラシ型ロボット パオ
出典)国立研究開発法人産業技術総合研究所

写真)介護老人保健施設でのロボット・セラピー


このように徐々にロボットが身近にいる環境に慣れはじめた現在では、高齢者介護施設へのロボットのさらなる活用も考えられるようになったという変化もおきています。フランスも他の先進国に劣らず高齢化の問題があり、しかも、高齢者介護施設は、低賃金でありながら重労働で常に人手不足に悩まされている分野でもあります。そのためフランスでは、高齢化が進んだ日本がどのように問題を解決しているのかについても注目しはじめています。

「日本は少子高齢化なのにもかかわらず、大規模な移民政策もしないため人材不足に悩まされている状況であるが、その苦難をハイテク機器やロボットを活用して運営する姿は、高齢化社会の未来の医療のお手本になる」(注3)

出典)国立研究開発法人産業技術総合研究所


このロボット「パロ」は、自閉症の子供達とのコミュニケーショントレーニングに使用されていたり、糖尿病の子供達が積極的に病院に来る為に採用されたりしてきました。大人だけではつかめない子供の心のケアをロボットに補ってもらい、治療をスムーズに進めていく目的のために使用されています。

また、高齢者介護施設においてもパリ近郊のイシー=レ=ムリノーと言う町の施設が、フランスで最初にエクササイズのトレーナーとしてロボットが取り入れられ、現在では複数の施設で活躍しはじめたところ。目新しいものが楽しいと言う面もありますが、人と人では解消しきれない感情の摩擦もロボットとなら起こることもなく、素直にトレーニングに取り込めるという効用や、介護職員の負担軽減にも貢献が認められてきています。

 

写真)HAL®腰タイプ介護支援用
出典)CYBERDYNE



人の仕事を奪う以前に人手が足りない介護関係などは、少ない人数でより多くの仕事をこなすための補助ロボットが受け入れやすい土壌があり、ロボットの制御技術を活用して介護職員の腰痛を防止するという「ハイテクウエア」を始め、移乗介助、排泄支援、認知症の方の見守り、移動支援、介護業務支援、など、人間の補助としてロボット技術が活躍できる場面が多いのも事実です。高齢化の世界最先端を走る日本。ロボットには高齢化という「危機」を「チャンス」 に変えて行く可能性が秘められているのかもしれません。

先日、香港に本拠を置くHanson Roboticsが作り出したロボット「ソフィア」が、ロボットで初めて市民権を得て話題になりましたが、ソフィアの開発者デイビッド・ハンソンも、ロボットは介護施設での高齢者のケアや、公園やイベントでの来場者の案内などで活躍することに言及しているのも偶然ではないでしょう。

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