独裁体制の「安楽死」目指せ 金王朝解体新書その14
Japan In-depth / 2017年11月4日 12時6分
この一例からも分かるように、2017年暮れの段階においては、日米韓は北朝鮮の前に、政治的駆け引きで後れを取ってしまったのだ。
こうなった原因は、ひとつには本シリーズですでに指摘したように、東アジアにおいては冷戦構造が未だ清算されていない、ということだが、もうひとつ、朝鮮半島にどのような国家が存在すべきか、という根源的な議論がなされ、長期的なヴィジョンを打ち出すことが、どこの国にもできなかったからである。
米韓軍による「斬首作戦」が実行できなかったのも、情報漏れが伝えられるが、それ以前の問題として、現在の独裁体制を軍事力でもって崩壊させたとして、その後どうするのか、という点で意思統一をなしきれなかったから、と私は見ている。
核問題を中心に、対話の可能性を排除しないまま、金王朝の安楽死(と言って悪ければ、統一を見据えたソフトランディング)に向けた議論を深める必要がある。
とりわけ多くの在日が暮らし、一方では拉致問題を抱えるわが国の指導者には、米国トランプ政権による強硬な態度を「全面的に支持」と繰り返すばかりでなく、主体的に問題解決へのヴィジョンを示すことが求められる。
トップ画像:金日成(キム・イルソン)と金正日(キム・ジョンイル)の像。平壌の万里堂大記念館 Photo by Bjørn Christian Tørrissen
この記事に関連するニュース
-
「第2、第3の制裁パネルを仕立てても死滅の運命」 北朝鮮国連大使が日米韓を牽制
産経ニュース / 2024年5月5日 15時1分
-
北朝鮮が故金日成主席の誕生日に「太陽節」使わず正恩氏が自らを「神に」、末期的症状?―韓国紙
Record China / 2024年4月26日 20時0分
-
米制裁が国力向上の原動力、軍事力維持へ=北朝鮮高官
ロイター / 2024年4月25日 8時50分
-
田中均が予測 「日本が備えるべき地政学リスク」 世界の構造変化は9.11同時多発テロから始まった
東洋経済オンライン / 2024年4月15日 7時20分
-
北朝鮮が舞い上がる「ウクライナ戦争特需」の注文主はロシア
ニューズウィーク日本版 / 2024年4月9日 15時0分
ランキング
-
1ロシア、ウクライナのエネルギー施設に大規模攻撃 被害深刻
ロイター / 2024年5月8日 18時32分
-
2NATOの中国大使館爆撃から25年、習主席「悲劇を繰り返してはならない」
AFPBB News / 2024年5月8日 15時14分
-
3英、ロシア武官を国外退去へ スパイ行為理由に
共同通信 / 2024年5月8日 23時29分
-
4中国がカナダの選挙に執拗に介入、情報機関が警告
ロイター / 2024年5月8日 12時59分
-
5ラファ検問所閉鎖で飢餓が深刻化か、支援物資の供給滞る恐れ…戦闘休止の交渉を優位に運ぶ狙いか
読売新聞 / 2024年5月8日 23時3分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください