トランプ外交に「一定の前進」
Japan In-depth / 2017年11月14日 23時0分
宮家邦彦(立命館大学 客員教授・外交政策研究所代表)
宮家邦彦の外交・安保カレンダー 2017#46 (2017年11月13-19日)
(本記事は2017年11月13日に出稿されたものです)
【まとめ】
・トランプ米大統領のアジア歴訪、日韓中訪問は安全運転に徹した。
・ジョン・F・ケリー首席補佐官は「大統領のツイートに関心は払っていない」と発言。
・トランプ大統領は、NSCなど事務方が基本的政策を作成し実施することを了解しているようだ。
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ようやくトランプ氏のアジア歴訪が終わるが、事前の懸念は杞憂だった。先週1週間、トランプ氏は日本だけでなく、韓国、中国でも安全運転に徹した。政策スピーチはもちろん、共同記者会見でも用意されたテキストから逸脱することはなかった。これが本当のトランプ氏かって?そんなはずはないだろう。
▲写真 トランプ大統領と文在寅大統領の共同記者会見 出典:U.S.Embassy&Consulate in Korea
案の定、先週末あたりから以前の「トランプ節」が戻ってきた。日曜日にはハノイで、ロシアゲートの捜査を求める人々を「haters and fools」と罵り、「crooked Hillary」の対ロシア関係発言をあざ笑い、トランプ氏を「lunatic old man」と呼んだ金正恩を「私はshort and fatとは呼ばなかった」と嘯いた。
https://twitter.com/realDonaldTrump/status/929509950811881472
https://twitter.com/realDonaldTrump/status/929511061954297857
要するに、統治モードのトランプ氏は1週間しか続かなかったのだが、むしろ、よくぞ1週間も続いたと賞賛すべきなのかもしれない。歴訪開始前の11月2日、マクマスターNSC担当補佐官は「大統領は自ら望む言葉を使うだろうが、そのレトリックは同盟国・友好国に大いに安心を与えるものだ」と述べた。
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