司法妨害の疑いどこ吹く風トランプ氏
Japan In-depth / 2017年12月6日 10時46分
宮家邦彦(立命館大学 客員教授・外交政策研究所代表)
宮家邦彦の外交・安保カレンダー 2017#49 (2017年12月4-10日)
【まとめ】
・フリン元大統領補佐官、FBIへの虚偽供述容疑で起訴、ワシントンの連邦地裁で有罪を認める。
・しかし、トランプ氏は「フリン氏を解任した理由は、彼が副大統領とFBIに嘘をついたからだ。」とツイート。司法妨害の疑いも。
・トランプ氏がエルサレムをイスラエルの首都と認める可能性がありとの報道も。
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今週もトランプ氏が絶好調だ。先週12月1日にNSC担当だったフリン元大統領補佐官がFBIへの虚偽供述容疑で起訴、ワシントンの連邦地裁で有罪を認めた。この司法取引により、フリン氏は特別検察官の捜査に協力する見込みだ。
今後は政権の中枢にまで捜査が及ぶ可能性がある。当然、ワシントンは大騒ぎだ。
写真)マイケル・フリン元大統領補佐官
出典)Michael Flynn (@GenFlynn) Twitter
ところが、何を血迷ったのか、トランプ氏は12月2日、「フリン氏を解任した理由は、彼が副大統領とFBIに嘘をついたからだ。彼はその嘘について有罪を認めた。残念なことだ。」などとツイートした。これが事実なら、トランプ氏は今年2月の段階でフリン氏がFBIに嘘をついた事実を知っていたことになる。
https://twitter.com/realDonaldTrump/status/937007006526959618
△12月2日のドナルド・トランプ大統領のTwitter
おいおい!当時トランプ氏はフリン氏解任理由として「副大統領に対する嘘」にしか言及していない。しかも、その頃彼はFBI長官にフリン氏に対する捜査を打ち切るよう働きかけていたとの疑惑がある。更に、事実関係を混乱させたこのツイートは何とトランプ氏ではなく、彼の弁護士が書いたものだそうだ。トランプ政権は一体どうなっているのか。これが司法妨害でなくて何なのか。疑問は尽きない。
更に、トランプ氏は近くエルサレムをイスラエルの首都と認める可能性があると報じられた。こうした中で、トランプ氏の支持率は下がるどころか、再び上昇したという。「慣れ」だとすれば、実に恐ろしい。
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