余りにも惜しい元ASEAN事務局長の死
Japan In-depth / 2017年12月14日 11時25分
このようにスリン氏の業績は多い。しかし同時にスリン氏が道半ばであったことも言わざるを得ない。ASEANは2015年に
政治・安全保障経済社会・文化の3つの共同体を発足させた。
しかし経済を除けば、共同体はまだまだ名ばかりで課題は多い。その上、南シナ海の問題に見るように強大化する中国の攻勢に小国連合ASEANの前途は予断を許さない。スリン氏は「決められないASEAN」に内心、危機感を抱いていたに違いないのである。
また2006年の国連事務総長選挙では、国際社会に立候補への熱い期待がありながら肝心の母国タイが推さず断念せざるを得なかった。スリン氏が当時のタクシン政権の野党出身だったことや、タイでは少数派のイスラム教徒だったからとも言われた。この時選ばれたのが潘基文前事務総長であることを思えば、残念さが倍加しようというものだ。
▲写真)潘基文氏 出典)flickr: Chatham House
タクシン政権が倒れると、スリン氏期待論が高まる。しかし時遅しだった。そして改めてASEAN事務局長に国を挙げて推薦されたのだった。しかし、率直な感想を言えば、ASEANも良いが、もっと大きな舞台にも立てたであろうし、そこで活躍してほしかった逸材だったと思う。
トップ画像:スリン・ピッツワン元ASEAN事務局長 出典)flickr:International Labour Organization
この記事に関連するニュース
-
ロヒンギャ迫害めぐり…ICC検察官、ミャンマー軍トップの逮捕状請求
日テレNEWS NNN / 2024年11月28日 0時15分
-
「圧迫が最近非常に強い」ウイグルやカンボジアで当局が民主活動家へ圧力強化 東京で集会
産経ニュース / 2024年11月20日 11時31分
-
チェンマイに逃れたミャンマー難民を取材しよう!『Global Media Camp in タイ』参加者募集
PR TIMES / 2024年11月15日 10時56分
-
第30回ASEAN貿易円滑化共同協議会、貿易円滑化の進捗状況を産業界に報告(ASEAN、インドネシア、マレーシア、タイ)
ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年11月5日 1時30分
-
サプライチェーン上の地位向上を約束、ASEANサミット(ASEAN、ラオス、タイ、ベトナム、カンボジア、マレーシア、インドネシア、シンガポール、フィリピン、ミャンマー、ブルネイ)
ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年11月1日 0時5分
ランキング
-
1ミャンマー軍トップに逮捕状を請求 国際刑事裁判所の主任検察官「ロヒンギャの迫害に関与」
TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2024年11月27日 20時47分
-
2レバノン停戦、市民に不信感も=「双方が違反する」と懸念
時事通信 / 2024年11月27日 19時55分
-
3米国が日本にミサイルを配備すれば対応する=ロシア外務省
ロイター / 2024年11月28日 0時33分
-
4中国で拘束の米国人3人解放 バイデン大統領の外交成果に
共同通信 / 2024年11月28日 0時23分
-
5米連邦控訴裁、機密文書持ち出し事件巡るトランプ氏起訴の取り下げ認める…2つの刑事裁判が終了
読売新聞 / 2024年11月28日 4時5分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください