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次期首相候補にマハティール氏浮上

Japan In-depth / 2017年12月24日 0時56分


写真)ワンアジザPKR代表
出典)flickr:Prachatai

■ 根強い仇敵マハティールへの感情論

 ここでいう「過去の経緯」とは、1981年から2003年まで22年間という長期政権を維持したマハティール元首相の最側近で最も有力後継者といわれたアンワル・イブラヒム元副首相兼財務相が1998年9月に突然、マハティール元首相によって罷免され、その後汚職と同性愛容疑で有罪判決を受け服役、完全に政治生命を絶たれたことを指している。


写真)アンワル・イブラヒム元副首相兼財務相
出典)flickr:Eddie CHANG
 
その後刑期を終え、政界復帰を果たして野党のシンボルとして活動を開始したアンワル氏を長年支えてきたのが妻のワンアジザPKR代表なのだ。


写真)アンワル氏と妻のワンアジザPKR代表
出典)flickr : ada sandiwara

 マハティール元首相は首相在任当時から子飼いだったナジブ首相が政権掌握した後、汚職や親族重用などが目に余るとして反ナジブに転向するとともに与党UMNOを脱退して野党勢力と手を結び始めた。

 その象徴となったのが2016年9月5日のマハティール氏とアンワル氏の突然の会談だった。18年の怨念を超えてこの日2人は固く握手して約30分間密談、ナジブ政権打倒で手を携えることになったのだった。

 しかし、アンワル支持者の中には「仇敵マハティールは許さない」との雰囲気も強く、「憎しみは消せても、どうしてまたマハティールが首相候補なのだ、高齢者(92歳)の出番ではない」と納得できない勢力が存在するのだ。そしてマハティールを(首相候補)担ぐくらいなら「ワンアジザ代表、さらにかつて首相候補でもあったアンワル氏を擁立するのが筋だ」というのが根底にあるとされる。

■ 野党連合、候補統一で足並みそろうか

 PKRは12月末までに4党による選挙協力に関する会議を再度開催して候補の絞り込みを協議するとしているが、それまでに党内で再度「正副首相候補」の再検討をしたい、としている。そして、PKRとしてはPKRが推す候補が他の連合3党の合意を得ることが難しい場合には、腹案として首都クアラルンプールを囲むセランゴール州のアズミン・アリ首席大臣を首相候補に推すことも検討している報じられている。


写真)アズミン・アリ首相大臣
出典)photo by Rehab junkie

 もっともこうしたPKRの正副首相候補に関する思惑に他の3党が合意して野党連合として正式に統一候補を出せるかどうかはまだ予断を許さない状況といわれ、統一候補が実現しない場合には与党連合に有利な状況で総選挙に突入する可能性がある。

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