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「いずも」空母化を恐れる中国

Japan In-depth / 2017年12月31日 0時2分

実運用の差はさらに広がる。

現用の中国空母はカタパルトを持たない。このためJ-15戦闘機は発進時に重量制限が掛けられている。性能上は最大離陸重量33トンだが実際には28トンでの発艦も厳しい。しかも滑走路を長く取らなければならない。このため発艦の間隔も相当に間延びする。

日本軽空母にはそれはない。F-35Bはカタパルト無しでも満載重量で発艦できる。しかも着艦帯との取り合いもないため連続発進が可能となる。

結果、中国空母は日本軽空母に勝てない二線級装備となる。

なお、これは平時にも効く。プレゼンスにおいても中国空母は旧式扱いされる。日本軽空母と並べられた場合「中国空母は日本空母に敵わない」印象を与えられる。

▲写真 J-15 出典:Garudtejas7

 

■ 中国艦隊戦力の更新強要

第2の理由は艦隊戦力更新を強要できる点だ。

日本軽空母登場により中国艦隊は日本に対して質的劣位に陥る。それは第1で述べたとおりだ。

対米劣勢に加え対日劣勢にも陥る。結果、中国は自国艦隊戦力を今以上に近代化しなければならなくなる。

これは駆逐艦以下にも及ぶ。空母にカタパルトを付け、ステルス艦載機を開発するだけではない。空母を護衛する055、052C/D、054Aといった駆逐艦・フリゲートもF-35によるステルス攻撃に対抗しなければならない。

特にJSM対艦ミサイルの登場は護衛艦に厳しい。かろうじてレーダで探知できる、いままでの対艦ミサイルよりも強力だからだ。ステルス性能が高いため正面からではレーダに映らない。ミサイル側はレーダを使わない画像誘導のため逆探知も効かない。その上、従来ミサイル同様におそらく高度2.5m程度の超低空を飛んでくるのだ。

▲写真 JSMのモックアップ Photo by Strak Jegan

中国駆逐艦は探知できず迎撃もできない。もともと超低空対艦ミサイル迎撃には熱心ではない。ステルス化したJSMには全く対処はできない。

まず探知できない。軍艦のレーダで波の乱反射の中を飛んでくる対艦ミサイルの探知は難しい。その上、高ステルス性のJSMではミサイル反応が乱反射ノイズよりも小さくなるのだ。

仮に探知できても迎撃できない。中国迎撃ミサイルは基本的に陸上転用型である。米国製とは異なり海面乱反射対処や超低空目標対処能力は高くはない。一部の光学誘導あるいは電波・光学複合誘導タイプを除けばロックオンできないのだ。

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