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「いずも」空母化を恐れる中国

Japan In-depth / 2017年12月31日 0時2分

結果、中華イージス以下のシステムも一気に役立たずとなり更新を迫られるのである。空母、艦載機、駆逐艦の更新の結果どうなるか?

中国海軍の数的増勢は難しくなる。90年代建造の旧式艦更新もままならなくなることからすれば、今後は艦隊規模は縮小することになる。

▲写真 中華イージス 052D型「昆明艦」 出典:海防先锋

 

■ 中国潜水艦の更新遅滞

第3の効果が中国潜水艦の増強・更新の妨害だ。

▲写真 中国 人民解放軍海軍 039A型潜水艦 出典:United States Naval Institute News Blog

日本軽空母導入は中国に空母、艦載機、駆逐艦の更新を迫る。それにより中国海軍の成長を抑制し、縮小方向に進める。これは述べたとおりだ。

これは一番厄介な中国潜水艦の更新増強を邪魔することにもつながる。これも軽空母導入の利益である。

中国空母は海軍力競争では脅威ではある。

しかし、実際の戦闘ではさほどの脅威ではない。日米は日本本土周辺なら容易に沈められる。所詮は艦載機30機未満の空母に過ぎない。搭載している早期警戒機もヘリコプターのZ-18AEWでしかない。

本当に面倒な敵は中国潜水艦である。性能向上は大幅に進んでおり、近いうちには探知不能となる。実戦ではその対処に苦労することになる。どこに潜っているのかわからない。その中国潜水艦に対処するため日米海軍力はバラマキ配備を強要されるのだ。

それからすれば潜水艦への資源配分を妨害できる点もメリットだ。空母建艦競争等は日米にとって素晴らしい話だということだ。中国は空母機動部隊1つを作るために最新の通常潜水艦10隻と原潜2隻を諦めるのだ。これは日米にとって良い取引である。

 

■ コスト負担はさほどではない

防衛省がF-35Bを導入したいと考える理由はこのようなものだ。日本は導入と軽空母運用により中国との軍事力積み上げゲームを有利にできるのである。

導入コストはどの程度となるか?

さほどではない。

F-35Bそのもののコストは大したものではない。もともと計画されている空自F-35Aの一部をF-35Bに改める形である。もちろん1機あたりの取得コストが20億円程度上昇する。エンジン等一部部品の集積を行う必要も生まれる。だが新規巨大事業ではない。

空母もすでに準備されている。「いずも」「かが」はそのまま使える。最初から各部寸法はF-35Bに合わせて作ってある。格納庫も無理に詰め込めば14機は入る。短距離離陸のためのスキージャンプは必須ではない。微速・無風でもF-35Bは軽量状態で100m未満で発進可能である。20ノット(約40km)、向かい風10mもあれば満載状態でも100mで発進できる。

あるいは中古コンテナ船を改修してもよい。90年代末に建造された4000TEUクラスはただ同然で入手できる。経済性低下と排ガス規制でスクラップ処理がはじまっているからだ。全長300m、25ノット(約50km)出せる優良船だ。飛行甲板を貼るだけでF-35B母艦として運用できる。

▲図「いずも」型は格納庫に14機収容できる 出典: 文谷数重作図(写真からの割出)

 

■ 『F-35Bは正規空母を滅ぼす』

なお、この中国空母陳腐化ほかは筆者発行の『F-35Bは正規空母を滅ぼす』で詳細に述べている。

●入手先

冬コミ(コミックマーケット93)

3日目/2017年12月31日(日)東地区 "テ" ブロック 03b 隅田金属

●委託先

・とらのあな 

・メロンブックス

 

トップ画像:DDH-183ヘリコプター搭載護衛艦「いづも」 出典 海上自衛隊

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