「賃上げ3%」財界にお願い 安倍首相
Japan In-depth / 2018年1月5日 17時53分
安倍宏行(Japan In-depth 編集長・ジャーナリスト)
「編集長の眼」
【まとめ】
・安倍首相、経済界に3%の賃上げ要請。
・地方経済への波及はまだまだ、IoTなど先進分野への日本企業の取り組みの遅さを指摘する声も。
・社会保障改革、財政健全化などへの取り組み急務。
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こんなに機嫌がいい安倍首相も珍しい。御屠蘇気分というわけではないだろうが、明らかに高揚している。5日に行われた経済三団体新年祝賀会でのことだ。
「大阪のデパートで開店前に6000人並んだというんですよ。そして売り上げが5%伸びたというんですね。賃上げのせいでしょうか。景気は気からと言いますが、気が充満してきた。さあ、ここまで言えば皆さん、もうお分かりですね?」
既に会場から笑いが漏れる。
「そう、みなさん、好循環を回していくためには、3%の賃上げ、これを是非お願いしたい。」
ここで会場が大爆笑に包まれた。2000人近い経営者を前に直接賃上げを訴えた。
安倍首相、こんなにスピーチがうまかったけ?と思うほどだ。1月2日の財界トップとのゴルフ話になると、「榊原さん(榊原経団連会長)、ドライバーよく飛ぶんですね。去年より飛んでいる。3%は飛距離伸びたんじゃないでしょうか?」
(また爆笑)
まあ、饒舌なのである。昨年の衆院選で大勝したことも余裕となっているのだろう。
そして、「日本資本主義の父」とも呼ばれる明治の実業家、渋沢栄一の言葉、「もうこれで満足だという時は、すなわち衰えるときである。」を引用し、「新たな投資」を行うよう呼び掛けた。
また、政府は先進技術に投資した企業の法人税を実質20%程度に引き下げる方針をすでに打ち出しているが、安倍首相はこの思い切った制度を活用してもらいたい」と述べ、企業の積極投資を促す考えを強調した。
実際、年初の株高もあり、経営者たちの表情は一様に明るく、ここ数年で新年のこうしたパーティーの雰囲気も様変わりしている。
写真)安倍首相
撮影)Japan In-depth編集部
冒頭の挨拶で経団連の榊原定征会長は、「日本経済は新しい成長ステージに入りつつある」との認識を示すとともに、「昨年度後半以来、設備投資も守りから攻めに転じている」と述べた。また、政府の提唱する「ソサエティ5.0」(注1)の実現に向け、積極的に経営課題に取り組む姿勢を強調した。
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