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トランプ暴露本で政権崩壊はない

Japan In-depth / 2018年1月13日 16時29分

なぜ、『炎と怒り』はここまで話題になるのか。それは、これまで人々が疑念を抱いてきたトランプ大統領のロシア内通疑惑や、国家の意思決定での不安定さと不確実さを、多くの「事実」で補強し、トランプ氏を追い込むような内容であるからだ。

具体的には、トランプ氏の最高参謀であり右腕であったスティーブ・バノン前首席戦略官兼上級顧問(64)が、大統領選中にトランプ氏の長男であるドナルド・トランプ・ジュニア氏(40)とロシア政府と近いロシア人弁護士が面会したことについて、「反逆的で非愛国的」と非難した内幕を暴露している。

▲写真 スティーブ・バノン前首席戦略官兼上級顧問 出典:クリエイティブコモンズ photo by Gage Skidmore

トランプ氏の大統領当選に決定的な功のあったバノン氏は、2017年8月に政権を去った後も、トランプ大統領と定期的に連絡を取り合う親密な仲で、12月に発表された米国の安保戦略における「中露は米国の安保に対する脅威」という根幹部分に決定的な影響を与えた重要人物である。そのバノン氏が実は、大統領をバカにしていたというのだ。

さらに『炎と怒り』はバノン氏だけでなく、レックス・ティラーソン国務長官(65)など多くの閣僚が、トランプ氏を内心軽蔑している様子を鮮明に描き出している。

▲写真 レックス・ティラーソン国務長官 出典:US Department of State

つまり著者のウォルフ氏は、「このように取り巻きから信用もされず、尊敬もされず、バカにされる精神不安定な男が米国の進む方向を決定し、あまつさえ核兵器のスイッチを握っていることは問題だ」というメッセージが伝えたかったのだ。

なお、トランプ大統領は6日にツイートで、「私は精神が安定した天才だ」と自信たっぷりに語り、動じる様子はない。


https://twitter.com/realDonaldTrump/status/949619270631256064

▲ドナルド・トランプ氏のTwitter(12月6日)

同書には、大統領選挙に勝利することを予想していなかったトランプ氏と陣営スタッフが当惑する様子も書かれている。メラニア夫人に至っては、「喜びではない涙」を流したという。これも、巷で広く囁かれていた「トランプは大統領になる心構えも準備もなかった」との憶測が、具体的な証言などで明らかになったものである。

さらに「トランプ・ファミリー」の王朝維持策として、トランプ大統領の娘のイバンカ氏(36)と夫のジャレッド・クシュナー氏(36)が将来、イバンカ氏が大統領に立候補する可能性を検討していることを『炎と怒り』は描き出している。

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