AI、ロボットが中間層直撃
Japan In-depth / 2018年1月20日 11時52分
嶌信彦(ジャーナリスト)
「嶌信彦の鳥・虫・歴史の目」
【まとめ】
・人口増大こそが成長の源だが、日本の人口自然減は07年以降11年連続。
・20年以内に日本の労働人口の49%がAIやロボットが代替、中間層直撃。
・社会が効率一辺倒になると人間性を失い、社会全体が危機に。
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■ ベビーブーム時代は年平均250万人
過去に日本でもっとも多く赤ちゃんが生まれた年は、敗戦の混乱が落ち着きだした1949年だった。その数は269万6638人。その前の47、48年も多く、47~49年をベビーブーム時代と呼んでいる。その3年間の平均出生数は約250万人だったが、2016年、2017年の出生数は、戦後最少で100万人を切っている。出生数から死亡者数を引いた自然減は昨年初めて40万人を超えた(推計)。日本の少子化・人口減少の自然減は07年以降11年連続となっている。
▲図1 出生数及び合計特殊出生率の年次推移 出典:内閣府
その後、ベビーブーム時代に生まれた子供が親になった時に出生した71年から74年を第2次ベビーブーム時代といい、約210万人の子供が生まれている。しかしそれ以降の出生数は徐々に減少するばかりで、ここ2年間は100万人を割り込んでいるのだ。
かつては人口増大こそが成長の源と言われたものだ。実際、明治初期には約3500万人だった人口は、大正期に5000万人、昭和に入って1967年(昭和42年)に1億人を超える。その後も人口は増え続け、最近は1億2700万人台に達した。その間、第二次大戦の敗北、石油危機、リーマン・ショックなどの逆風時代もあったが、経済はほぼ順調に推移し1人当たりの国内総生産(GDP)は明治初期の750ドル程度からいまや優に3万ドルを超える世界第3位の経済大国にまで成長した。
■ 2115年には5000万人、大正初期の人口に?
しかし、人口を維持するには2.0の出生率が必要なのに、現在の日本の出生率は1.4前後なので、このまま推移すれば2050年代に1億人を切り、2115年には大正時代の5000万人に戻るとされる。人口増大と若者が多かったからこそ日本の高度成長と繁栄が築かれたのに、今後少子・高齢化時代に突入すると日本は並みの中堅国家に成り下がってしまうのではないか、という危機意識が高まっているのだ。
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