日米関係、日本は主体性を持て 古森義久氏(下)
Japan In-depth / 2018年1月26日 0時2分
▲写真 北朝鮮の弾道ミサイル「火星14号」 出典:Global Security
一方で日本は、これまでアメリカとの軍事同盟に依存してきたことに対し古森氏は「どんなことがあっても戦ってはいけないというのは世界から見たら異端だ。今の北朝鮮問題は日本にとっての教訓だと思う。」と指摘した。
その上で、日本は当面はまだアメリカに頼ることになるが、トランプ大統領に対する不信感は不当だとの考えを示した。
「(トランプ大統領の)周りは側近で囲まれ、議会も共和党が上下両院で過半数をとっているから発言力が強い。トランプ氏個人が無知だからとんでもないことをしてしまうというメカニズムはほとんどない。」と述べた。
さらに、大統領の給料も自ら返上しており、「ビジネスマンだからビジネス利益を優先するのではないかといった指摘も当たらない」とし、むしろ「自分なりの考えを実行しようと、公約を掲げ、その通りにやってきている」とトランプ大統領を評価した。
■ エルサレム問題
古森氏は「エルサレムの首都宣言もトランプ大統領が公約としてさんざん言っていることで、今急にやった、とか、ロシア疑惑隠しのためにやったとか、日本のいわゆるアメリカ通の間で言われていることは事実に反する」と指摘した。
古森氏はトランプ大統領のエルサレム首都宣言の経緯を次のように説明した。
エルサレムをイスラエルの首都として認め、大使館を移転する、「エルサレム大使館法」という法律が22年前に成立しているが、歴代大統領は1年に2回署名することで延期してきた。トランプ大統領も昨年6月に一度署名したが、昨年7月には連邦議会の上院がエルサレム大使館法の即時執行を求める決議案を90対0で通している。昨年12月にも、トランプ大統領は一応署名したが、議会の決議案に従い、また自身の公約通り、延期はもうしないという意思表示をした。また、古森氏は「アメリカ国内ではこの問題に対するトランプ批判はほとんどない。」と述べた。
細川氏は「(アメリカが)いわゆる平和の仲介役を降りたのではないかともいわれているが、今後、中東情勢はどうなっていくのか。また日本のプレゼンスは。」と質問した。
古森氏は「石油問題は大切だが、日本は当事国ではない。死活的な利害関係もない。やはりこの問題は今のトランプ政権が言っているように、当事者同士の交渉に任せればよいのでは。」と答えた。
その上で現実的な外交として、「日本がパレスチナかイスラエルのどちらかを推進するという立場ではない。アメリカとの関係のために中東に対する政策もある程度は考えなくてはいけない。」と述べた。
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