地元の不安解消を「イージスアショア」
Japan In-depth / 2018年1月30日 17時38分
宮家邦彦の外交・安保カレンダー(立命館大学 客員教授・外交政策研究所代表)
2018年1月29日-2月4日
【まとめ】
・山口、秋田がイージスアショア配備の候補に上がり、地元は不安に。
・英国でも30日から上院でEU離脱法案の審議が本格化。
・30日トランプ大統領、就任後初の一般教書演説。
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今週は海外ニュースに見るべきものがないので、日本国内の話をしよう。今年も幸い全国各地で講演する機会を頂いているが、日本海側の地方自治体では東アジア情勢、特に北朝鮮の動きに対する関心が極めて高い。中でも地上型ミサイル迎撃システムであるイージスアショアについては山口と秋田で関心が高まっている。
配備が噂されているのだから当然だろうが、具体的には、どんな施設か不安だ、強力な電磁波が怖い、北朝鮮ミサイルの標的になる、米国人が運用するのではないか、同システムは迎撃だけでなく攻撃もできるのではないか、秋田市の候補地は人口密集地にあまりに近い、といった不安や懸念があるようだ。
これらはいずれも情報不足や誤解に基づくものと思われるが、万一放置すれば問題は一層拡大するだろう。詳しくは今週の産経新聞のコラムをご一読願いたい。地元への事前の説明はその内容とタイミングをよく考えないと逆効果だが、中国ではこんなことあり得ない。民主主義のコストは実に高いのだ。
欧州では29日から英国のEU離脱交渉が本格化しつつある。離脱時期は2019年の3月29日で、移行期間は2020年末に終了するそうだ。おいおい、英国は本当に離脱するらしいぞ。これがEUの終わりの始まりなのか、それともEUは英国なしでも生きていけるのか。歴史的な実験が始まったというべきか。
写真)David Davis 英国EU離脱相
flickr:English PEN
〇欧州・ロシア
英国でも30日から上院でEU離脱法案の審議が本格化する。つい数年前まで、EUは拡大し、多少ユーロ圏諸国の混乱があっても、EU自体は結束を維持できると漠然と思っていた。これが、今やブラッセルで大の大人が本気で離脱の時期や対応を議論している様は、正直なところ、今でも信じられない光景だ。
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