平昌五輪 日米韓連携弱体化狙う北朝鮮
Japan In-depth / 2018年2月7日 14時19分
宮家邦彦(立命館大学 客員教授・外交政策研究所代表)
宮家邦彦の外交・安保カレンダー2018#06 2018年2月5-11日
【まとめ】
・平昌五輪前に対北宥和策に動く韓国、日米韓の連携弱体化も。
・北朝鮮の楽団が9日から韓国で公演を行い12日に帰国。
・トランプ氏、下院情報委員長が作成したロシアゲートに関する司法省とFBIの動きを記す極秘報告書公表。
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今週9日にいよいよ平昌五輪が始まる。選手や役員よりはるかに多い「宣伝応援団」を送りこむ一方、開会前日に軍事パレードを予定しているのだから、北朝鮮はやりたい放題だ。是が非でもオリンピックを成功させたい韓国政府の足元を完全に見ているのだろう。当面の目的は燃料か、物資か、現金か。筆者にはよく分からない。
写真)平昌五輪トーチリレーイベント
出典)pyeongchang2018.com
いずれにせよ、韓国政府は完全に浮足立っている。北朝鮮が細かいことに難癖をつける毎に、韓国はより多くの譲歩を強いられているはずだ。今更五輪参加をキャンセルされては困るからだろう。報道されていない分野で、一体どのような南北取引が行われているのか。現時点では詳細を知る由もない。
かかる韓国の姿勢を最も苦々しく思っているのは米国だ。北朝鮮の核武装化を目前にして、米韓の連携に水を差すような動きを躊躇わない同盟国・韓国を米国はどう評価するのだろう。今の韓国は反共同盟という「基軸主義」よりも、対北宥和策と対中「事大主義」という「均衡策」にしか関心がないのか。
今週末の開会式から一連の首脳会談までの動きは要注意だ。北朝鮮は事実上の「制裁破り」を韓国に強いようとしている。このままでは日米韓の連携は弱体化していくだろう。五輪後、核をめぐる危機は必ず再発する。この段階で北朝鮮に「米国は何もできない」と思わせることの危険は計り知れない。
一方、国内では日曜日の名護市長選挙の結果にも注目が集まった。20年前、日米安保の担当課長だった筆者にとって、今回の結果は実に感慨深い。過去何度か辺野古地区を訪れたが、この8年間街並みはほとんど変わっていない。当然だろう、補助金なしに住民の生活向上を図れる自治体は限られるからだ。
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