「難民」私達は何を知っているのだろう
Japan In-depth / 2018年2月11日 15時23分
第2部は「日本の難民」。レバノンの難民キャンプ出身のホセインさんの自己紹介で幕を開けた。「23歳です。パレスチナ人でレバノンに住んでいました。私の夢はシェフになること。今日はパレスチナ料理を作ります。皆さんよろしくお願いします」。
日本語で書いたノートを見ながら一生懸命話す姿に、会場の雰囲気が和む。なぜ難民になったのか、何があったのか、今細かい話をすることは難しいのだという。「美味しい料理を作って笑ってほしい」と明るく夢を語る笑顔の裏に、想像しえない壮絶な体験があるのだと思わされた。
彼をサポートしてきたインターナショナル・カルチャーエクスチェンジ・ジャパン代表の山本真希さんは、「難民という枠ではなく、パレスチナ人のホセインさんとして見てほしい」と述べ、続けてサヘルさんも「難民も皆さんと同じ存在。難民という言葉が辞書からなくなればいい。」と訴えかけた。
▲写真 左からサヘルさん、ホセインさん、山本さん。 ©Japan In-depth編集部
第3部は、シンガーソングライターYaeさんによるライブ。アラビア語と日本語で歌う「椰子の実」や「名も知らぬ花のように」など全4曲を披露した。アラビア語で歌う「椰子の実」は、音楽でつながるをテーマに、「みんなで作るシリア展」の機会に、一語一語、教えてもらいながらレコーディングをした思い出深い曲だそうだ。
▲写真 楽器を使いながら歌うYaeさん。 ©Japan In-depth編集部
Yaeさんは「ヨルダンの難民キャンプでこの曲のCDを流した際に、違う国の歌にもかかわらず、聞いた人々が皆、涙していたと聞いた。いつか3人の子供を連れて向こうに行ってみたい。」と話した。
この会を振り返り、サヘルさんは「今日聞いたこと、知ったことをSNSなどを通じ、広げていってほしい。今日もらった種を皆それぞれが大切に育てていって。」とまとめた。ホセインさんは、「すごく楽しかった。少し疲れたけれど。初めて食べる人が多くて、嬉しい。夢のために、日本語も勉強も料理も頑張りたい。」と話した。
この会に参加した方々の声を聞いた。
「UNHCRの募金を何年もしていたが、難民問題はよく分からずにいた。今日のお話を聞いて、難民の方も私たちと同じ人間なんだ、身近な存在なんだと気付いた。」(都内の40代会社員男性)
「2011年にシリアに旅行に行ったこともあり、以前からずっと難民問題に関心があった。難民と考えてしまうと自然と距離が遠くなってしまう。ホセインさんのような方と出会うことで、身近に感じられる。こんな機会が多くあるといいな。」(都内の20代のNGO職員の女性)
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